一齊いっせい)” の例文
新字:一斉
そういう時に限って、彼女はまた別の肉体に愛情を感ずると見えて、はたの目が一齊いっせいに舞台に集まっているなかで、その手が庸三にそっと触れて来るのであった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
土間のなかばで、そのおじやのかたまりのような四人の形が暗くなったのは、トタンに、一つ二つ電燈がスッと息を引くように赤くなって、橋がかりのも洗面所のも一齊いっせいにパッと消えたのである。
眉かくしの霊 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)