“ひとこえ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
一声97.5%
一聲2.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と、一声ひとこえかければ、すぐ飛んで来て、戸も開けよう、手を取って、迎え上げもしよう。けれどこの身はいま、自分のものでない。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私は顔を空ざまにして、あらん限りの肺臓の力を以て、花火の様な一声ひとこえを上げた。胸と喉の筋肉が無限の様に伸びて、一点の様にちぢんだ。
火星の運河 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
つまはおれがためらふうちに、なに一聲ひとこえ叫ぶがはやいか、たちまやぶおくへ走りした。盜人ぬすびと咄嗟とつさびかかつたが、これはそでさへとらへなかつたらしい。おれはただまぼろしのやうに、さう景色けしきながめてゐた。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)