一聲ひとこえ)” の例文
新字:一声
つまはおれがためらふうちに、なに一聲ひとこえ叫ぶがはやいか、たちまやぶおくへ走りした。盜人ぬすびと咄嗟とつさびかかつたが、これはそでさへとらへなかつたらしい。おれはただまぼろしのやうに、さう景色けしきながめてゐた。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)