“黄粉”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きなこ94.4%
こうふん5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ことしは残暑が長く、殊に閏の七月は残暑が例外に強い。その暑気をふせぐには、七月二十九日に黄粉きなこの牡丹餅をこしらえて食うがよい。
廿九日の牡丹餅 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
北の硝子窓がらすまどをしめて、座敷の南縁に立って居ると、ぽつりと一つ大きな白いつぶが落ちて、乾いて黄粉きなこの様になった土にころりところんだ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
形は貝母ばいもに似て、暗緑帯紫の色、一つは咲いて花弁はなびらが六つ、黄粉こうふんを包んだしべが六つ、つぼみが一つ。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)