みつ)” の例文
旧字:滿
しかしみつればくるの比喩ひゆれず、先頃から君江の相貌そうぼうがすこし変ってきた。金青年に喰ってかかるような狂態きょうたいさえ、人目についてきた。
ゴールデン・バット事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
おなじく三十日には、寛は蕨を採りて喰料を補わんとして、草鞋はきにて藁叺わらかますを脊負い、手には小なる籠を持ち、籠にみつる時は藁叺に入るる事とせり。
関牧塲創業記事 (新字新仮名) / 関寛(著)
ここに万太郎と金吾の話し声だけは、いつまでも時刻を忘れていたが、一城の広さもあろう程な尾州家の建て物は、うしみつに近い真夜中の底に沈んでシーンと眠り落ちている。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此れにて蕨は多く採りて、籠にみつれば叺にうつして脊負たり。
関牧塲創業記事 (新字新仮名) / 関寛(著)