みつ)” の例文
が、じっみつめて立つと、きぬの模様の白い花、撫子のおもかげも、一目の時より際立って、伏隠ふしかくれたはだの色の、小草おぐさからんで乱れた有様。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いて呉れ、措いて呉れ、小説の講釈は聞飽きた、」と肱枕の書生は大欠伸あくびをしつゝ上目うはめじつみつめつ
貧書生 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
目をみはって、その水中の木材よ、いで、浮べ、ひれふって木戸に迎えよ、とにらむばかりにみつめたのでござるそうな。尋常事ただごとでありませんな。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
小使の心持では、時間がもうちっとっていそうに思ったので、止まってはおらぬか、とさてみつめたもので。——風に紛れて針の音が全く聞えぬ。
朱日記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「チャン、カン、チャンカン……ですか。」と民弥の顔をみつめながら、軽く火箸ひばしを動かしたが、鉄瓶にカタンと当った。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
五助はきものはだけに大の字なり名残なごりを見せて、ひきがえるのような及腰およびごし、顔を突出して目をみはって、障子越に紅梅屋敷のかたみつめながら、がたがたがたがた
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
なにをかこゝろむる、とあやしんで、おこみぎはつて、枯蘆かれあしくきごしに、ほりおもてみつめた雪枝ゆきえは、浮脂きらうへに、あきらかに自他じた優劣いうれつきぎけられたのを悟得さとりえて、おもはず……
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
丑童子うしどうじまだら御神おんかみ、と、一心に念じて、傍目わきめらないで、みつめていると、その丑の年丑の月丑の日の……丑時うしどきになると、その鏡に、……前世から定まった縁の人の姿が見える
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
愛吉聞くうちにきょろきょろして、得もいわれぬ面色おももちしながら、やがて二階をみつめた。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しずかなほど、組々の、人一人の声も澄渡って手に取るようだし、広い職員室のこの時計のカチカチなどは、居ながら小使部屋でもよく聞えるのが例の処、トみつめても針はソッとも響かぬ。
朱日記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
まなこを光らし、姫をみつめて)まだそのようなわやくをおっしゃる。……身うちの衆をお召出し、お言葉がござりましては、わやくが、わやくになりませぬ。天の神々、きこえも可恐おそれじゃ。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
目も隠れるほど深く俯向うつむいたが、口笛を吹くでもなく、右の指の節を唇に当て、素肌に着た絹セルの単衣ひとえ衣紋えもんくつろげ——弥蔵やぞうという奴——内懐に落した手に、何か持って一心にみつめながら
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
實家さとの、母親はゝおやあねなんぞが、かはる/″\いててくれますほかに、ひらきばかりみつめましたのは、人懷ひとなつかしいばかりではないのです……つゞいて二人ふたり三人さんにんまで一時いちどきはひつてれば、きつそれ
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
じっとその大吉をみつめていると、次第次第に挿画さしえの殿上人にひげが生えて、たちまち尻尾のように足を投げ出したと思うと、横倒れに、小町の膝へもたれかかって、でれでれと溶けた顔が、河野英吉に
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
けて、けて、あぶない。』と両方りやうはうあしゆびしろいのと、をとこのと、十本じふぽんづゝを、ちら/\と一心不乱いつしんふらんみつめながら、あたか断崖だんがいりるやう、天守てんしゆしたごとながるゝか、とえた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
(ごめんなさいまし、)といったがものもいわない、首筋をぐったりと、耳を肩でふさぐほど顔を横にしたまま小児こどもらしい、意味のない、しかもぼっちりした目で、じろじろと門に立ったものをみつめる
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
(お貞、そんなにおれを治したいか)ッて、私の顔をみつめるからね。
化銀杏 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
御免ごめんなさいまし、)といつたがものもいはない、首筋くびすぢをぐつたりと、みゝかたふさぐほどかほよこにしたまゝ小児こどもらしい、意味いみのない、しかもぼつちりしたで、ぢろ/″\と、もんつたものをみつめる
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
浅黄の天鵝絨びろうどに似た西洋花の大輪おおりんがあったが、それではなしに——筋一ツ、元来の薬ぎらいが、快いにつけて飲忘れた、一度ぶり残った呑かけの——水薬すいやくの瓶に、ばさばさと当るのを、じっみつめて立つと
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「小芳さん、お取なしを願います。」とじっみつめて色が変った。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
みつめながら
妖術 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)