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瞻
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みつ
ふりがな文庫
“
瞻
(
みつ
)” の例文
が、
凝
(
じっ
)
と
瞻
(
みつ
)
めて立つと、
衣
(
きぬ
)
の模様の白い花、撫子の
俤
(
おもかげ
)
も、一目の時より際立って、
伏隠
(
ふしかく
)
れた
膚
(
はだ
)
の色の、
小草
(
おぐさ
)
に
搦
(
から
)
んで乱れた有様。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
措
(
お
)
いて呉れ、措いて呉れ、小説の講釈は聞飽きた、」と肱枕の書生は大
欠伸
(
あくび
)
をしつゝ
上目
(
うはめ
)
で
眤
(
じつ
)
と
瞻
(
みつ
)
めつ
貧書生
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
目を
睜
(
みは
)
って、その水中の木材よ、いで、浮べ、
鰭
(
ひれ
)
ふって木戸に迎えよ、と
睨
(
にら
)
むばかりに
瞻
(
みつ
)
めたのでござるそうな。
些
(
ち
)
と
尋常事
(
ただごと
)
でありませんな。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
小使の心持では、時間がもうちっと
経
(
た
)
っていそうに思ったので、止まってはおらぬか、とさて
瞻
(
みつ
)
めたもので。——風に紛れて針の音が全く聞えぬ。
朱日記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「チャン、カン、チャンカン……ですか。」と民弥の顔を
瞻
(
みつ
)
めながら、軽く
火箸
(
ひばし
)
を動かしたが、鉄瓶にカタンと当った。
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
五助は
服
(
きもの
)
はだけに大の字
形
(
なり
)
の
名残
(
なごり
)
を見せて、
蟇
(
ひきがえる
)
のような
及腰
(
およびごし
)
、顔を突出して目を
睜
(
みは
)
って、障子越に紅梅屋敷の
方
(
かた
)
を
瞻
(
みつ
)
めながら、がたがたがたがた
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何
(
なに
)
をか
試
(
こゝろ
)
むる、と
怪
(
あやし
)
んで、
身
(
み
)
を
起
(
おこ
)
し
汀
(
みぎは
)
に
立
(
た
)
つて、
枯蘆
(
かれあし
)
の
茎
(
くき
)
越
(
ごし
)
に、
濠
(
ほり
)
の
面
(
おもて
)
を
瞻
(
みつ
)
めた
雪枝
(
ゆきえ
)
は、
浮脂
(
きら
)
の
上
(
うへ
)
に、
明
(
あきら
)
かに
自他
(
じた
)
の
優劣
(
いうれつ
)
の
刻
(
きぎ
)
み
着
(
つ
)
けられたのを
悟得
(
さとりえ
)
て、
思
(
おも
)
はず……
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
丑童子
(
うしどうじ
)
、
斑
(
まだら
)
の
御神
(
おんかみ
)
、と、一心に念じて、
傍目
(
わきめ
)
も
触
(
ふ
)
らないで、
瞻
(
みつ
)
めていると、その丑の年丑の月丑の日の……
丑時
(
うしどき
)
になると、その鏡に、……前世から定まった縁の人の姿が見える
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
愛吉聞くうちにきょろきょろして、得もいわれぬ
面色
(
おももち
)
しながら、やがて二階を
瞻
(
みつ
)
めた。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
静
(
しずか
)
なほど、組々の、人一人の声も澄渡って手に取るようだし、広い職員室のこの時計のカチカチなどは、居ながら小使部屋でもよく聞えるのが例の処、ト
瞻
(
みつ
)
めても針はソッとも響かぬ。
朱日記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
(
眼
(
まなこ
)
を光らし、姫を
瞻
(
みつ
)
めて)まだそのようなわやくをおっしゃる。……身うちの衆をお召出し、お言葉がござりましては、わやくが、わやくになりませぬ。天の神々、きこえも
可恐
(
おそれ
)
じゃ。
夜叉ヶ池
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
目も隠れるほど深く
俯向
(
うつむ
)
いたが、口笛を吹くでもなく、右の指の節を唇に当て、素肌に着た絹セルの
単衣
(
ひとえ
)
の
衣紋
(
えもん
)
を
緩
(
くつろ
)
げ——
弥蔵
(
やぞう
)
という奴——内懐に落した手に、何か持って一心に
瞻
(
みつ
)
めながら
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
實家
(
さと
)
の、
母親
(
はゝおや
)
、
※
(
あね
)
なんぞが、
交
(
かは
)
る/″\
附
(
つ
)
いて
居
(
ゐ
)
てくれます
他
(
ほか
)
に、
其
(
そ
)
の
扉
(
ひらき
)
ばかり
瞻
(
みつ
)
めましたのは、
人懷
(
ひとなつ
)
かしいばかりではないのです……
續
(
つゞ
)
いて
二人
(
ふたり
)
、
三人
(
さんにん
)
まで
一時
(
いちどき
)
に
入
(
はひ
)
つて
來
(
く
)
れば、
屹
(
きつ
)
と
其
(
それ
)
が
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
凝
(
じっ
)
とその大吉を
瞻
(
みつ
)
めていると、次第次第に
挿画
(
さしえ
)
の殿上人に
髯
(
ひげ
)
が生えて、たちまち尻尾のように足を投げ出したと思うと、横倒れに、小町の膝へ
凭
(
もた
)
れかかって、でれでれと溶けた顔が、河野英吉に
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
『
気
(
き
)
を
着
(
つ
)
けて、
気
(
き
)
を
着
(
つ
)
けて、
危
(
あぶな
)
い。』と
両方
(
りやうはう
)
の
脚
(
あし
)
の
指
(
ゆび
)
、
白
(
しろ
)
いのと、
男
(
をとこ
)
のと、
十本
(
じふぽん
)
づゝを、ちら/\と
一心不乱
(
いつしんふらん
)
に
瞻
(
みつ
)
めながら、
恰
(
あたか
)
も
断崖
(
だんがい
)
を
下
(
お
)
りるやう、
天守
(
てんしゆ
)
の
下
(
した
)
は
地
(
ち
)
が
矢
(
や
)
の
如
(
ごと
)
く
流
(
なが
)
るゝか、と
見
(
み
)
えた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
(ご
免
(
めん
)
なさいまし、)といったがものもいわない、首筋をぐったりと、耳を肩で
塞
(
ふさ
)
ぐほど顔を横にしたまま
小児
(
こども
)
らしい、意味のない、しかもぼっちりした目で、じろじろと門に立ったものを
瞻
(
みつ
)
める
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
(お貞、そんなに
吾
(
おれ
)
を治したいか)ッて、私の顔を
瞻
(
みつ
)
めるからね。
化銀杏
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
(
御免
(
ごめん
)
なさいまし、)といつたがものもいはない、
首筋
(
くびすぢ
)
をぐつたりと、
耳
(
みゝ
)
を
肩
(
かた
)
で
塞
(
ふさ
)
ぐほど
顔
(
かほ
)
を
横
(
よこ
)
にしたまゝ
小児
(
こども
)
らしい、
意味
(
いみ
)
のない、
然
(
しか
)
もぼつちりした
目
(
め
)
で、ぢろ/″\と、
門
(
もん
)
に
立
(
た
)
つたものを
瞻
(
みつ
)
める
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
浅黄の
天鵝絨
(
びろうど
)
に似た西洋花の
大輪
(
おおりん
)
があったが、それではなしに——筋一ツ、元来の薬
嫌
(
ぎらい
)
が、快いにつけて飲忘れた、一度ぶり残った呑かけの——
水薬
(
すいやく
)
の瓶に、ばさばさと当るのを、
熟
(
じっ
)
と
瞻
(
みつ
)
めて立つと
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「小芳さん、お取なしを願います。」と
熟
(
じっ
)
と
瞻
(
みつ
)
めて色が変った。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ト
瞻
(
みつ
)
めながら
妖術
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
瞻
漢検1級
部首:⽬
18画
“瞻”を含む語句
瞻視
瞻望
左瞻右視
瞻上
瞻仰
右瞻左瞻
阮瞻
万世瞻依
見瞻
蘇子瞻
落瞻
瞻部
瞻詰
瞻蔔迦
瞻波
瞻戍
春澳瞻淇
打瞻
左瞻右瞻
子瞻
...