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見詰
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みつ
ふりがな文庫
“
見詰
(
みつ
)” の例文
そうでなければ何を書いているだろう?……まだ後れて来るかも知れないとBは食物も
咽喉
(
のど
)
に通らないで、戸口の方を
見詰
(
みつ
)
めていた。
扉
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
三日目の
日盛
(
ひざかり
)
に、彼は書斎の
中
(
なか
)
から、ぎら/\する
空
(
そら
)
の
色
(
いろ
)
を
見詰
(
みつ
)
めて、
上
(
うへ
)
から
吐
(
は
)
き
下
(
おろ
)
す
焔
(
ほのほ
)
の
息
(
いき
)
を
嗅
(
か
)
いだ時に、非常に恐ろしくなつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
一つの文字を長く
見詰
(
みつ
)
めている中に、いつしかその文字が解体して、意味の無い一つ一つの線の
交錯
(
こうさく
)
としか見えなくなって来る。
文字禍
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
閭
(
りよ
)
は
小女
(
こをんな
)
を
呼
(
よ
)
んで、
汲立
(
くみたて
)
の
水
(
みづ
)
を
鉢
(
はち
)
に
入
(
い
)
れて
來
(
こ
)
いと
命
(
めい
)
じた。
水
(
みづ
)
が
來
(
き
)
た。
僧
(
そう
)
はそれを
受
(
う
)
け
取
(
と
)
つて、
胸
(
むね
)
に
捧
(
さゝ
)
げて、ぢつと
閭
(
りよ
)
を
見詰
(
みつ
)
めた。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「そうです、あれは
此処
(
ここ
)
では一番大切なのです。まあしばらくじっと
見詰
(
みつ
)
めてごらんなさい。どうです、形のいいことは
一等
(
いっとう
)
でしょう。」
チュウリップの幻術
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
▼ もっと見る
「ただこう書いたよ、
援軍
(
えんぐん
)
きたらず
零敗
(
れいはい
)
すと」人々はおどろいて阪井の顔を
見詰
(
みつ
)
めた、阪井の口元に冷ややかな苦笑が浮かんだ。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
しかし、暫く
見詰
(
みつ
)
めていると
外
(
ほか
)
の砂と入り交って分らなくなりそうになったので
直
(
いそ
)
いでまた取り上げた。眼が些っと痛かった。
火
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
「あの人は、遠くから私を
見詰
(
みつ
)
めて、泣きさうにするだけで、金次のやうに手紙をくれたり、暗がりで袖を引いたりしません」
銭形平次捕物控:185 歩く死骸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
私
(
わたくし
)
は
默然
(
もくねん
)
として、
猶
(
なほ
)
も
其處
(
そこ
)
を
見詰
(
みつ
)
めて
居
(
を
)
ると、
暫時
(
しばらく
)
して
其
(
その
)
不思議
(
ふしぎ
)
なる
岩陰
(
いわかげ
)
から、
昨日
(
きのふ
)
も
一昨日
(
おとゝひ
)
も
聽
(
き
)
いた、
鐵
(
てつ
)
の
響
(
ひゞき
)
が
起
(
おこ
)
つて
來
(
き
)
た。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
夜を一つの大きな眼とすれば、これはその
見詰
(
みつ
)
める
瞳
(
ひとみ
)
である。気を取り紛らす
燦々
(
さんさん
)
たる星がなければ、永くはその
凝澄
(
こりすま
)
した注視に堪えないだろう。
河明り
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
丁度活動写真を
見詰
(
みつ
)
める子供のように、自分は休みなく変って行く時勢の絵巻物をば眼の
痛
(
いたく
)
なるまで見詰めていたい。
銀座
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
しかも
菊之丞
(
きくのじょう
)
の冷たいむくろを
安置
(
あんち
)
した八
畳
(
じょう
)
の
間
(
ま
)
には、
妻女
(
さいじょ
)
のおむらさえ
入
(
い
)
れないおせんがただ
一人
(
ひとり
)
、
首
(
くび
)
を
垂
(
た
)
れたまま、
黙然
(
もくねん
)
と
膝
(
ひざ
)
の
上
(
うえ
)
を
見詰
(
みつ
)
めていた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
時
(
とき
)
よりも
早
(
はや
)
くぢり/\と
立
(
た
)
つて
行
(
ゆ
)
くのを、
氣
(
き
)
を
萎
(
なや
)
して、
見詰
(
みつ
)
めるばかりで、かきもの
所
(
どころ
)
の
沙汰
(
さた
)
ではなかつた。
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と、その体から立ちのぼる
芳香
(
ほうこう
)
は、自ら
捲
(
ま
)
きおこした風に乗って、いよいよひろまり、一層多くの人びとが立ちどまって、不思議そうに紳士を
見詰
(
みつ
)
めはじめた。
香水紳士
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
遠慮
(
えんりょ
)
なく、乗せて
貰
(
もら
)
うと、
目貫
(
めぬ
)
きの通りにドライブしながら、ぼくの胸にさした日の丸のバッジを
見詰
(
みつ
)
め
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
全
(
まつた
)
くわき
眼
(
め
)
も
振
(
ふ
)
らないやうな
蜂
(
はち
)
の
動作
(
どうさ
)
は
變
(
へん
)
に
嚴肅
(
げんしゆく
)
にさへ
見
(
み
)
えた。そして、
瞬
(
またた
)
きもせずに
見詰
(
みつ
)
めてゐる
内
(
うち
)
に、
夫
(
をつと
)
はその一
心
(
しん
)
さに
何
(
なに
)
か
嫉妬
(
しつと
)
に
似
(
に
)
たやうなものを
感
(
かん
)
じた。
画家とセリセリス
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
彼女こそ、やったのではあるまいかと、その顔を
見詰
(
みつ
)
めた。
睫毛
(
まつげ
)
の美しいミチ子の大きな両眼に、透明な液体がスウと浮んで来た。ふるえた声でミチ子が言った。
階段
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
『
御用
(
ごよう
)
でございますか。』と、
紀
(
こつな
)
は
振
(
ふ
)
り
向
(
む
)
いて
跪
(
ひざまづ
)
いた。
但馬守
(
たじまのかみ
)
はヂッと
紀
(
こつな
)
の
顏
(
かほ
)
を
見詰
(
みつ
)
めてゐたが
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
省三は婢が
膳
(
ぜん
)
をさげて往く時に新らしくしてくれた茶を
啜
(
すす
)
っていたが、彼の耳にはもうその音は聞えなかった。彼は十年前の
自己
(
おのれ
)
の暗い影を耐えられない自責の思いで
見詰
(
みつ
)
めていた。
水郷異聞
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
あッと言う間に、すらり抜いた刀を、ブランと片手にぶら
提
(
さ
)
げて、喬之助は、あらぬ方を
見詰
(
みつ
)
めて立っている。その眼には
纏
(
まとま
)
りがなく、着物の前が割れて、だらしなく
下着
(
したぎ
)
が見えているのだ。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
その主人は石鹸を売るということをせずにジーッと私の顔を
見詰
(
みつ
)
めて居る。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
提灯の光の届く
範囲
(
かぎり
)
の、茫と明るい輪の中へ、しきりに降り込む粉雪が、縞を作って乱れるのを、鋭いその眼で
見詰
(
みつ
)
めてはいるが、それは観察しているのではなく、無心に眺めているのであった。
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
日陰町
(
ひかげちょう
)
のせまい古着屋町を眺めながら、ある家の山のように真黒な、急な
勾配
(
こうばい
)
をもった大屋根が、いつも
其処
(
そこ
)
へ来ると威圧するように目にくるのを
避
(
よ
)
けられないように、まじまじ
見詰
(
みつ
)
めながら通った。
旧聞日本橋:03 蕎麦屋の利久
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
彼女は子供をたたいてじっとわたしを
見詰
(
みつ
)
めている。
狂人日記
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
柱時鐘
(
はしらどけい
)
を
見詰
(
みつ
)
むれば、
針
(
はり
)
のコムパス、
身
(
み
)
の
搾木
(
しめぎ
)
。
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
時
(
とき
)
どき
営庭
(
えいてい
)
の
燈
(
ひ
)
に
反射
(
はんしゃ
)
する
銃剣
(
じうけん
)
を
見詰
(
みつ
)
めながら
一九三二・二・二六:―白テロに斃た××聯隊の革命的兵士に―
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
さうして
御米
(
およね
)
が
絣
(
かすり
)
の
羽織
(
はおり
)
を
受取
(
うけと
)
つて、
袖口
(
そでくち
)
の
綻
(
ほころび
)
を
繕
(
つくろ
)
つてゐる
間
(
あひだ
)
、
小六
(
ころく
)
は
何
(
なん
)
にもせずに
其所
(
そこ
)
へ
坐
(
すわ
)
つて、
御米
(
およね
)
の
手先
(
てさき
)
を
見詰
(
みつ
)
めてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
頬は削り落したように
窶
(
やつ
)
れて、
青晒
(
あおざ
)
めて、眼ばかり、怪しく、狂わしく、気味悪く、
眤
(
じっ
)
と坐ってランプの火影を
見詰
(
みつ
)
めていた。
凍える女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
翌朝、
蒲団
(
ふとん
)
の上に坐って薄暗い壁を
見詰
(
みつ
)
めていた吉は、昨夜夢の中で逃げようとして
藻掻
(
もが
)
いたときの汗を、まだかいていた。
笑われた子
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
駸々
(
しんしん
)
と水泳場も住居をも追い流す都会文化の
猛威
(
もうい
)
を、一面灰色の焔の屋根瓦に感じて、小初は心の
髄
(
ずい
)
にまで
怯
(
おび
)
えを持ったが、しかししばらく
見詰
(
みつ
)
めていると
渾沌未分
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
鏡
(
かがみ
)
のおもてにうつしたおのが
姿
(
すがた
)
を
見詰
(
みつ
)
めたまま、
松江
(
しょうこう
)
は
隣座敷
(
となりざしき
)
にいるはずの、
女房
(
にょうぼう
)
を
呼
(
よ
)
んで
見
(
み
)
た。が、いずこへ
行
(
い
)
ったのやら、
直
(
す
)
ぐに
返事
(
へんじ
)
は
聞
(
き
)
かれなかった。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
足
(
あし
)
は
裾
(
すそ
)
へ、
素直
(
まつすぐ
)
に
揃
(
そろ
)
へたつ
切
(
きり
)
、
兩手
(
りやうて
)
は
腋
(
わき
)
の
下
(
した
)
へ
着
(
つ
)
けたつ
切
(
きり
)
、で
熟
(
じつ
)
として、たゞ
見舞
(
みまひ
)
が
見
(
み
)
えます、
扉
(
ひらき
)
の
開
(
あ
)
くのを、
便
(
たよ
)
りにして、
入口
(
いりくち
)
の
方
(
はう
)
ばかり
見詰
(
みつ
)
めて
見
(
み
)
ました。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
じっと
見詰
(
みつ
)
めていると、急になんだか、
喋
(
しゃべ
)
りたくなるからね。そのときはべらべら喋ればいいんだよ
火星探険
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
私
(
わたくし
)
は
如何
(
いか
)
にもして、かの
怪
(
あやし
)
の
船
(
ふね
)
の
正體
(
しやうたい
)
を
見屆
(
みとゞ
)
けんものをと、
身
(
み
)
を
飜
(
ひるがへ
)
して
左舷船首
(
さげんせんしゆ
)
に
走
(
はし
)
り、
眼
(
まなこ
)
を
皿
(
さら
)
のやうにして
其
(
その
)
船
(
ふね
)
の
方
(
かた
)
を
見詰
(
みつ
)
めたが、
月無
(
つきな
)
く、
星影
(
ほしかげ
)
も
稀
(
まれ
)
なる
海
(
うみ
)
の
面
(
おもて
)
は
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
見送りの人達の
影
(
かげ
)
も波止場も
霞
(
かす
)
み、港も燈台も
隔
(
へだ
)
たって、歓送船も帰ったあと、花束や、テエプの散らかった
甲板
(
かんぱん
)
にひとり、島と、
鴎
(
かもめ
)
と、波のうねりを、
見詰
(
みつ
)
めていると
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
その
空
(
そら
)
の
明
(
あか
)
るみを
映
(
うつ
)
す
田
(
た
)
の
水
(
みづ
)
や、
處處
(
ところどころ
)
の
雜木林
(
ざふきばやし
)
の
影
(
かげ
)
が
蒼黒
(
あをぐろ
)
い
夜
(
よる
)
の
闇
(
やみ
)
の
中
(
なか
)
に
浮
(
う
)
き
上
(
あが
)
つて
見
(
み
)
え
出
(
だ
)
した。
私
(
わたし
)
はそれをぢつと
見詰
(
みつ
)
めてゐる
内
(
うち
)
に、
何
(
なん
)
となく
感傷的
(
かんしやうてき
)
な
氣分
(
きぶん
)
に
落
(
お
)
ちて
來
(
き
)
た。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
夢かうつつか、
愕
(
おどろ
)
き見れば、わが身は裂けて、血は流れるじゃ。燃えるようなる、二つの
眼
(
め
)
が光ってわれを
見詰
(
みつ
)
むるじゃ。どうじゃ、声さえ
発
(
た
)
とうにも、
咽喉
(
のど
)
が
狂
(
くる
)
うて音が出ぬじゃ。
二十六夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
暫
(
しばら
)
く
見詰
(
みつ
)
めてゐるうちに、
閭
(
りよ
)
は
覺
(
おぼ
)
えず
精神
(
せいしん
)
を
僧
(
そう
)
の
捧
(
さゝ
)
げてゐる
水
(
みづ
)
に
集注
(
しふちゆう
)
した。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
眼
(
め
)
とすれすれに
機躡
(
まねき
)
が忙しく上下往来するのをじっと瞬かずに
見詰
(
みつ
)
めていようという
工夫
(
くふう
)
である。理由を知らない妻は大いに
驚
(
おどろ
)
いた。第一、
妙
(
みょう
)
な姿勢を妙な角度から
良人
(
おっと
)
に
覗
(
のぞ
)
かれては困るという。
名人伝
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
船頭
(
せんどう
)
は
憎々
(
にく/\
)
しさうに、
武士
(
ぶし
)
の
後姿
(
うしろすがた
)
を
見詰
(
みつ
)
めながら、
舟
(
ふね
)
を
漕
(
こ
)
ぎ
出
(
だ
)
した。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
平次は此驚く可き奉公人を默つて
見詰
(
みつ
)
める外はありませんでした。
銭形平次捕物控:161 酒屋忠僕
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
デコボコ頭の、チンチクリンの老人を
凝
(
じっ
)
と
見詰
(
みつ
)
めた。
旧聞日本橋:08 木魚の顔
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
柱時鐘
(
はしらどけい
)
を
見詰
(
みつ
)
むれば、
針
(
はり
)
のコムパス、
身
(
み
)
の
搾木
(
しめぎ
)
。
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
裂
(
さ
)
き
捨
(
す
)
てられた
泥
(
どろ
)
に
吸
(
す
)
はれた
伝単
(
でんたん
)
を
見詰
(
みつ
)
め
生ける銃架:――満洲駐屯軍兵卒に――
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
婢
(
じょちゅう
)
は不思議そうに省三の顔を
見詰
(
みつ
)
めた。
水郷異聞
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「
何故
(
なぜ
)
でせう」と
聞
(
き
)
き
返
(
かへ
)
した。
其時
(
そのとき
)
御米
(
およね
)
は
易者
(
えきしや
)
が
返事
(
へんじ
)
をする
前
(
まへ
)
に、
又
(
また
)
考
(
かんが
)
へるだらうと
思
(
おも
)
つた。
所
(
ところ
)
が
彼
(
かれ
)
はまともに
御米
(
およね
)
の
眼
(
め
)
の
間
(
あひだ
)
を
見詰
(
みつ
)
めたまゝ、すぐ
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
そういって水戸記者は、静かにドレゴの面を
見詰
(
みつ
)
めた。ドレゴはくすりと笑って、顔を右へ振った。
地球発狂事件
(新字新仮名)
/
海野十三
、
丘丘十郎
(著)
桂木は
投落
(
なげおと
)
されて横になつたが、死を
極
(
きわ
)
めて
起返
(
おきかえ
)
るより先に、これを見たか婦人の念力、
袖
(
そで
)
の
折
(
おり
)
目の正しきまで、下着は起きて、何となく、我を
見詰
(
みつ
)
むる
風情
(
ふぜい
)
である。
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
腕
(
うで
)
をこまねいて、あごを
引
(
ひ
)
いた
春信
(
はるのぶ
)
は、
暫
(
しば
)
し
己
(
おの
)
が
膝
(
ひざ
)
の
上
(
うえ
)
を
見詰
(
みつ
)
めていたが、やがて
徐
(
おもむろ
)
に
首
(
くび
)
を
振
(
ふ
)
った。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
かう
云
(
い
)
ひ
續
(
つづ
)
けて、
高岡軍曹
(
たかをかぐんそう
)
はやがて
詞
(
ことば
)
を
途切
(
とぎ
)
つたが、それでもまだ
賞
(
ほ
)
め
足
(
た
)
りなかつたのか、モシヤモシヤの
髭面
(
ひげづら
)
をいきませて、
感
(
かん
)
に
餘
(
あま
)
つたやうに
中根
(
なかね
)
二
等卒
(
とうそつ
)
の
顏
(
かほ
)
を
見詰
(
みつ
)
めた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
見
常用漢字
小1
部首:⾒
7画
詰
常用漢字
中学
部首:⾔
13画
“見”で始まる語句
見
見惚
見物
見出
見下
見上
見送
見透
見做
見当