三津みつ)” の例文
右は湖水の三津みつはま、左は叡山延暦寺えいざんえんりゃくじへの登り坂。人々の着ているみのは、吹きおろす風、返す風に、みな針鼠はりねずみのようにそよぎ立った。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私は先年この三津みつの地に行って、今そこの名所田間に少しばかり残してあるいわゆる浜荻を親しく見たことがあったが
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
この藩の船に乗込んでいる者に船手というは、藩の扶持を貰っていて、常には藩地の三津みつの浜というに妻子と共に住まっている。その下に水主かこというものがある。
鳴雪自叙伝 (新字新仮名) / 内藤鳴雪(著)
ハマオギは彼の「浪速のあしは伊勢の浜をぎ」と詠まれたものでこれは今日でもなお伊勢の三津みつという処に昔のままに残っている。行てこれを見ると全くアシであって、あえて別のものではない。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)