目守みつ)” の例文
聞くと等しくお政は手に持ッていた光沢布巾つやぶきんを宙にるして、「オヤ」と一せい叫んで身を反らしたまま一句もでばこそ、暫らくはただ茫然ぼうぜんとして文三のかお目守みつめていたが
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
お勢は紳士にも貴婦人にも眼をめぬ代り、束髪の令嬢を穴の開く程目守みつめて一心不乱、傍目わきめを触らなかった、呼吸いきをもかなかッた、母親が物を言懸けても返答もしなかった。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
トお政は此方こなたを振向き、吃驚びっくりした様子でしばらく昇の顔を目守みつめて
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)