“光沢布巾”の読み方と例文
読み方割合
つやぶきん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
鳴くせみよりも何んとかいって悩んでいる訳なんだからといって、すでにさびかかっている大和魂へ我々亭主はしきりに光沢布巾つやぶきんをかけるのであった。
めでたき風景 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
その文三の顔を見て今まで火鉢ひばち琢磨すりみがきをしていたお政が、俄かに光沢布巾つやぶきんの手をとどめて不思議そうな顔をしたもそのはず、この時の文三の顔色がんしょくがツイ一通りの顔色でない。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
聞くと等しくお政は手に持ッていた光沢布巾つやぶきんを宙にるして、「オヤ」と一せい叫んで身を反らしたまま一句もでばこそ、暫らくはただ茫然ぼうぜんとして文三のかお目守みつめていたが
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)