“五分心”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ごぶしん60.0%
ごぶじん40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
明いて居た窓から、薄寒い風が、すっっと這入って来て、五分心ごぶしんの裸ランプが、ぼぼぼーと油煙を吐き始めた。
かやの生立 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
その男はちょっと頭で挨拶あいさつして囲炉裏の座にはいって来たが、天井の高いだだっ広い台所にともされた五分心ごぶしんのランプと、ちょろちょろと燃える木節きぶしの囲炉裏火とは
生まれいずる悩み (新字新仮名) / 有島武郎(著)
やがてえんの片隅で燐寸マッチの音と共に、咳はやんだ。明るいものはへやのなかに動いて来る。小野さんは洋袴ズボンの膝を折って、五分心ごぶじんを新らしい台の上にせる。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
自分が先刻せんこく晩餐を済ましてから、少許すこし調査物しらべものがあるからと云つて話好の伯母さんを避け、此十畳の奥座敷に立籠つて、余りあかからぬ五分心ごぶじんの洋燈の前に此筆を取上げたのは、実は
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)