“ごぶしん”の漢字の書き方と例文
語句割合
五分心100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
明いて居た窓から、薄寒い風が、すっっと這入って来て、五分心ごぶしんの裸ランプが、ぼぼぼーと油煙を吐き始めた。
かやの生立 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
その男はちょっと頭で挨拶あいさつして囲炉裏の座にはいって来たが、天井の高いだだっ広い台所にともされた五分心ごぶしんのランプと、ちょろちょろと燃える木節きぶしの囲炉裏火とは
生まれいずる悩み (新字新仮名) / 有島武郎(著)
夕飯は例になく蔵裏くりの下座敷であつた。宵の勤行おつとめも済んだと見えて、給仕は白い着物を着た子坊主がして呉れた。五分心ごぶしんの灯は香の煙に交る夜の空気を照らして、高い天井の下をおもしろく見せる。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)