見付みつ)” の例文
そのうつくしいそらうばはれてゐたを、ふと一ぽん小松こまつうへすと、わたし不思議ふしぎなものでも見付みつけたやうに、しばらくそれにらした。
日の光を浴びて (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
すると新羅しらぎ使者ししゃの中に日羅にちらというとうとぼうさんがおりましたが、きたないわらべたちの中に太子たいしのおいでになるのを目ざとく見付みつけて
夢殿 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
そのうち上座じやうざざう食事しよくじそなへていて、自分じぶんつて一しよにべてゐるのを見付みつけられましたさうでございます。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
ある日、私はつまと二人で郊外かうぐわいへ家を見付みつけに出て行つた。おな見付みつけるからには、まだ一も行つたことのない方面はうめんが良いといふ相談さうだんになつた。
美しい家 (新字旧仮名) / 横光利一(著)
今度こんど辞職した以上は、容易にくち見付みつかりさうもない事、やむを得ず、それ迄妻を国もとあづけた事——中々なか/\尽きさうもない。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
はるになつてゆき次第しだいけた或日あるひ墓場はかばそばがけあたりに、腐爛ふらんした二つの死骸しがい見付みつかつた。れは老婆らうばと、をとことで、故殺こさつ形跡けいせきさへるのであつた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
『では、貴君きくんは、しやおい日出雄少年ひでをせうねん安否あんぴを——。』とひかけて、いそ艦尾かんびなる濱島武文はまじまたけぶみ春枝夫人はるえふじんとにひとみうつすと、彼方かなた二人ふたりたちまわたくし姿すがた見付みつけた。
それをみせ小僧こぞう見付みつけて、土左衛門どざゑもんいてゐます土左衛門どざゑもんいてゐますとつてさわぐ。
塩原多助旅日記 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
そしてとほりがゝりの成るべくきたない車、るべく意気地いくぢのなさゝうな車夫を見付みつけておそる/\
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
「それぢやどうした、途中とちゆう見付みつけてたんだから一ぴきやつてねえか」勘次かんじランプをおしな枕元まくらもとつていわしつゝみいた。いわしランプのひかりできら/\とあをえた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
冬が近くて、天山はもうまっ白になり、くわが黄いろにれてカサカサちましたころ、ある日のこと、童子がにわかに帰っておいでです。母さまがまどから目敏めざと見付みつけて出て行かれました。
雁の童子 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「そうでねえ。おいらはいまげてたばかりだからの。見付みつかっちァことだ」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
扇子せんす手套てぶくろとを見付みつけないさき戸外おもて追出おひだされやしないかと氣遣きづかひながら。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
うまつたはうからしながら「みなさん、ひるすぎに、見付みつけの米屋こめやうまです。あのうまつら見覺みおぼえがあります。これかららせにきます。」と、商家しやうか中僧ちうぞうさんらしいのが、馬士まごおぼ
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
番乙 これはロミオどのゝ家來めしつかひでおりゃる。墓場はかば見付みつけました。
時々持駒もちごまくして、次の勝負の来るまで双方とも知らずにいたりした。それを母が灰の中から見付みつけ出して、火箸ひばしはさみ上げるという滑稽こっけいもあった。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
はるになってゆき次第しだいけた或日あるひ墓場はかばそばがけあたりに、腐爛ふらんした二つの死骸しがい見付みつかった。それは老婆ろうばと、おとことで、故殺こさつ形跡けいせきさえあるのであった。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
蘿月らげつは休まず歩きつゞけた暑さにほつと息をつき、ひろげた胸をば扇子せんすであふいだが、まだ店をしまはずにゐる休茶屋やすみぢやや見付みつけて慌忙あわて立寄たちより、「おかみさん、ひやで一杯。」と腰を下した。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
けれども、ふと私は泉のうしろに、小さなほこらのあるのを見付みつけました。
雁の童子 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
獅子狩しゝがりんでも十幾遍いくへんもようされたがいつ武村兵曹たけむらへいそう大功名だいこうめうであつた。またあるとき海岸かいがんいへうしろもりへ、大鷲おほわしいとなんでるのを見付みつけて、その卵子たまごりにつてひど遭遇でつくわしたこともある。
奇麗きれい床屋とこやつて、かみりたくなつたが、何處どこにそんな奇麗きれいなのがあるか、一寸ちよつと見付みつからないうちに、かぎつてたので、また電車でんしやつて、うちはうむかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
宗助そうすけ銀金具ぎんかなぐいたつくゑ抽出ひきだしけてしきりなかしらしたが、べつなに見付みつさないうちに、はたりとめて仕舞しまつた。それから硯箱すゞりばこふたつて、手紙てがみはじめた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
一本は仏蘭西に居る姉婿あねむこ宛で、タナグラの安いのを見付みつけて呉れといふ依頼である。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
宗助そうすけ見付みつけて、醫者いしやゝれとすゝめても、容易よういからなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「はあ、左様さうですか。がるんですか」と茶壺ちやつぼを放りして門野もいてた。二人ふたり洋盃コツプさがしたが一寸ちよつと見付みつからなかつた。婆さんはと聞くと、今御客さんの菓子を買ひに行つたといふ答であつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)