-
トップ
>
-
幾遍
正月は
二日目の
雪を
率て
注連飾の
都を
白くした。
降り
已んだ
屋根の
色が
故に
復る
前、
夫婦は
亞鉛張の
庇を
滑り
落る
雪の
音に
幾遍か
驚ろかされた。
夜半にはどさと
云ふ
響が
殊に
甚しかつた。
獅子狩は
何んでも十
幾遍か
催されたが
例も
武村兵曹の
大功名であつた。また
或時は
海岸の
家の
直ぐ
後の
森へ、
大鷲が
巣を
營んで
居るのを
見付けて、
其卵子を
捕りに
行つて
酷い
目に
遭遇した
事もある。