みつ)” の例文
このみつつのかたちうたを、のちには、片歌かたうたといつてゐます。これは、うた半分はんぶんといふことでなく、完全かんぜんでないうたといふことであります。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
依て安慰、滋養品、運動とのみつは、実に相待あいまってこそ長寿すべきを能く銘記あらんことを祈る。寛は幸にして此みっつを以てするに怠らず。
関牧塲創業記事 (新字新仮名) / 関寛(著)
形式と物質と、或は合ひ或は離れて、あたかもみつつるある弓より三の矢の出る如く出で、缺くるところなき物となりたり 二二—二四
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
みつつにつてたおしな卯平うへいしたうて確乎しつかうちめたのはそれからもないことである。へびはなし何時いつにか消滅せうめつした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
わたし先頃さきごろフランスの西海岸にしかいがんにあるカルナックといふところおほきいいしつたのでありますが、いまみつつにをれて地上ちじようたふれてゐます。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
三四郎はとこのなかで、此みつの世界をならべて、互に比較して見た。次に此みつの世界を掻きぜて、其なかからひとつの結果を得た。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
あゝ、あのやなぎに、うつくしにじわたる、とると、薄靄うすもやに、なかわかれて、みつつにれて、友染いうぜんに、鹿しぼり菖蒲あやめけた、派手はですゞしいよそほひをんなが三にん
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
翌朝純一は十分に眠った健康な体のい心持で目をました。只のどたんが詰まっているようなので咳払せきばらいを二つみつして見て風を引いたかなと思った。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
この中岳なかたけ火口かこうまへしるしたとほり、南北なんぼく連續れんぞくした數箇すうこいけから成立なりたち、おもなものとして、北中南きたなかみなみみつつを區別くべつする。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
奈何どうして此みつが一緒になつて三足さんぞく揃つた完全な鍋、重くて黒くて冷たくて堅い雨ふる秋の夜といふ大きい鍋を頭から被る辛さ切なさを忍ぶことが出来やう。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
富士ふじのぼるには、普通ふつう吉田口よしだぐち御殿場口ごてんばぐち大宮口おほみやぐちみつつの登山道とざんみちがありますが、森林帶しんりんたいながらのぼるには吉田口よしだぐちか、大宮口おほみやぐちえらんだほうがいゝとおもひます。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
そのため年齢としも二十二三にはられるので、まこととしはそれよりふたみつツはつてゐるかもれない。
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
つれみつ折合ずそれがため志しばかりでのみ長旅はせず繪圖の上へよだれを垂して日を送りしが今度其の三ツ備はりたればいでや時を失ふべからず先づ木曾名所を探り西京さいきやう大坂を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
まだまだこまかくもうしたら際限さいげんもありませぬが、参拝者さんぱいしゃ種類しゅるいはざっと以上いじょうのようなところでございましょう、これからふたみつわたくしにかけた実例じつれいをおはなししてることにいたしますが
人の世はみつあしたより花の昼、月のゆふべにもそのおもひほかはあらざれど、勇怯ゆうきようは死地にりて始てあきらかなる年の関を、物の数ともざらんほどを目にも見よとや、空臑からすねゑひを踏み、鉄鞭てつべん
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
小劍は、親友の、徳田秋聲よりみつしたであり、正宗白鳥よりいつうへであつた。
「鱧の皮 他五篇」解説 (旧字旧仮名) / 宇野浩二(著)
これから案内あんないれてき、はしわたると葭簀張よしずばり腰掛こしか茶屋ぢやゝで、おく住居すまゐになつてり、戸棚とだなみつつばかりり、たないくつもりまして、葡萄酒ぶだうしゆ、ラムネ、麦酒ビールなどのびん幾本いくほんも並んで
明治の地獄 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
「浮島名物、一に大根、二に鮒鰻、みつにお光の歌……」
漁師の娘 (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
みつそ。
とんぼの眼玉 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
みつ逸作いつさく
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
さうして、神樣かみさま言葉ことばすらも、やはり、うたあらはされることになりました。それは大方おほかたみつつのかたちになつたものらしくかんがへられます。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
今や汝これらの愛の、いづこに、いつ、いかに造られたりしやを知る、されば汝の願ひの中みつの焔ははや消えたり 四六—四八
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
そこはわづかふたつかみつつしか部屋へやがなく、ほんとうにちひさいもので、ぢいさんがたゞ一人ひとり、つくねんとしてばんをしてゐました。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
勘次かんじつらかつたんべが、らもしななつたときにやえたよ、あれこたみつつのときツからそだツたんだから」卯平うへいまたなさけなげなしたがもうこはばつてしまつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ふたツもみつツも。わたしなにはなすのだらう、わたしなにはなすのだらう、とりがものをいふと慄然ぞつとして慄立よだつた。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
このみつを綜合すると、雨の降る秋の夜が一番好い事になるが、然しそれでは完全に過ぎて、余り淋し過ぎる。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
うめ黄色きいろはなをひらき鋸齒のこぎりばのあるまるみつつづゝ、いとのようなくきにつけたみやまきんばい、ちひさいしばのようなみやまつめくさ、たかねつめくさなどがあります。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
三四郎にはみつつの世界が出来た。一つは遠くにある。与次郎の所謂いわゆる明治十五年以前のがする。凡てが平穏である代りに凡てが寐坊気ねぼけてゐる。もっとも帰るに世話はらない。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
これに觀察かんさつ阿蘇山あそざん嘉元三年かげんさんねん三月三十日さんがつさんじゆうにち西暦せいれき千三百五年せんさんびやくごねん五月二日ごがつふつか)の午後四時頃ごごよじごろ地中ちちゆうから太陽たいようごと火玉ひだまみつそらのぼり、東北とうほくほうつたといふことがある。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
ぢやア買つてませう、ふたつかみつつあればいんでせう。源「いえ、何卒どうぞ三十ばかり。金「其様そんなにへやアしませぬよ。源「ナニへますから、願ひたいもので。金「ぢやア買つてませう。 ...
黄金餅 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
またながあひだいし時代じだいのこされてゐたのもありますが、とにかくこのみつつの時代じだいうごかたは、大體だいたい人類文化じんるいぶんか順序じゆんじよしめすものといつてもよろしい。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
御覽ごらんのとほり、はじめのが、四音しおんになつてゐるが、ともかく、5・7・5といふみつつのかたちを、基礎きそとしてゐます。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
かれらの周圍まはりめぐる諸〻の愛は、神の聖前みまへ寶座フローニと呼ばる、第一のみつの組かれらに終りたればなり 一〇三—一〇五
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
おつこちるといきほひよくみつツばかりくる/\とまつたあひだに、鮟鱇博士あんかうはかせいつツばかりおまはりをして、をのばすと、ひよいとよこなぐれにかぜけて、なゝめにんで
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
さうしてあたまなかで、自分じぶん下宿げしゆくにゐた法科はふくわ大學生だいがくせいが、一寸ちよつと散歩さんぽついでに、資生堂しせいだうつて、みつりの石鹸しやぼん齒磨はみがきふのにさへ、五ゑんぢかくのかねはら華奢くわしやおもうかべた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
阿蘇あそはこの百年ひやくねんぐらゐのあひだ平均へいきん十一年目じゆういちねんめ活動かつどう繰返くりかへしてゐるが、それはそのみつつのいけのいづれかゞ活氣かつきていするにるものである。しかしながら、まれにはほか場所ばしよからすこともある。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
𤍠帶地方ねつたいちほうはこのみつつのものが、うんとそろつてゐるので植物しよくぶつ一番いちばんよくしげつてゐますが、次第しだいみなみきた兩極りようきよくちかづくにしたがつて、くさすくなくなり、何一なにひとえない不毛ふもう平原へいげんになつてしまひます。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
然し若し此時、かの藻外と二人であつたなら、屹度外見みえはばからずに何か詩的な立廻を始めたに違ひない。兎角人間は孤独の時に心弱いものである。此みつの変遷は、自分には毫も難有くない変遷である。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
猛き異樣の獸チェルベロこゝに浸れる民にむかひ、そのみつの喉によりて吠ゆること犬に似たり 一三—一五
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
案山子かゝしみのは、みつつともぴしよ/\とおとするばかり、——なかにもにくかつたはあとからやつかさたを得意とくい容躰ようだい、もの/\しや左右さいうみまはしながら前途ゆくて蹌踉よろめく。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
この車夫しやふ小六ころくよりはみつほど年下としした子供こどもがあつて、始終しじゆう小六ころく御相手おあひてをしてあそんでゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
この時みつの魂ありてはしりつゝ、はげしき苛責の雨にうたれて過ぎゆく群を齊しくはなれ 四—六
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
それつて、卓子テエブルかへつてに、おぢやうさんの姿すがたは、こしもとみつツのくろなかかくれたんです。
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
彼斯く語れる間(彼過ぎゆけり)みつの魂我等の下に來れるを我も導者もしらざりしに 三四—三六
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
とぼ/\とした後姿うしろすがたで、長頭ながあたまからみつつの姿すがたえたる瓦斯がすに、まぼろしや、つゑかげ
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
數限かずかぎりもない材木ざいもくみづのまゝにひたしてあるが、彼處かしこへ五ほん此處こゝへ六ぽん流寄ながれよつたかたちはんしたごとく、みな三方さんぱうからみつツにかたまつて、みづ三角形さんかくけい區切くぎつた、あたりはひろく、一面いちめん早苗田さなへだのやうである。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
……能登島の鼻と、長浦の間、今のみつヶ口の瀬戸でしょう。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ふたツ、」とみつツ、つゑさきをコト/\コト。
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
みぎみつつ、」
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)