御津みつ)” の例文
ここに大后いたく恨み怒りまして、その御船に載せたる御綱栢は、悉に海に投げてたまひき。かれ其地そこに名づけて御津みつさきといふ。
いざどもはやく日本やまと大伴おほとも御津みつ浜松はままつひぬらむ 〔巻一・六三〕 山上憶良
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
備前御津みつ郡円城村大字神瀬字広高下
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
そこで皇后樣が非常に恨み、お怒りになつて、御船に載せたかしわの葉を悉く海に投げ棄てられました。それで其處を御津みつの埼と言うのです。
巻一(六三)の、「いざ子どもはやく大和やまと大伴おほとも御津みつの浜松待ち恋ひぬらむ」
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
帰途に、「天雲のたゆたひ来れば九月ながつき黄葉もみぢの山もうつろひにけり」(同・三七一六)、「大伴の御津みつとまりに船てて立田の山を何時か越えかむ」(同・三七二二)などという歌を作って居る。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)