トップ
>
美津
>
みつ
ふりがな文庫
“
美津
(
みつ
)” の例文
正吉の重みで
梯子段
(
はしごだん
)
が
軋
(
きし
)
むと、お
美津
(
みつ
)
は
悪戯
(
いたずら
)
らしく上眼で
睨
(
にら
)
んだ。——十六の乙女の
眸子
(
ひとみ
)
は、そのとき
妖
(
あや
)
しい光を帯びていた。
お美津簪
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
慎太郎はふと耳を
澄
(
すま
)
せた。誰かが音のしないように、暗い
梯子
(
はしご
)
を
上
(
あが
)
って来る。——と思うと
美津
(
みつ
)
が上り口から、そっとこちらへ声をかけた。
お律と子等と
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
今度も、別荘の主人が
一所
(
いっしょ
)
で、新道の芸妓お
美津
(
みつ
)
、踊りの上手なかるたなど、
取巻
(
とりまき
)
大勢と、他に土地の友だちが二三人で、昨日から夜昼なし。
浮舟
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お父さんがその気だから、
美津
(
みつ
)
なんかだって、家にいられねえんだよね。
栗の花の咲くころ
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
「お
美津
(
みつ
)
やあい!」
ガラマサどん
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
▼ もっと見る
もう着換えのすんだ慎太郎は、梯子の上り口に
佇
(
たたず
)
んでいた。そこから見える台所のさきには、
美津
(
みつ
)
が裾を
端折
(
はしょ
)
ったまま、
雑巾
(
ぞうきん
)
か何かかけている。
お律と子等と
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「お
美津
(
みつ
)
、おい、
一寸
(
ちよつと
)
、あれ
見
(
み
)
い。」と
肩
(
かた
)
を
擦合
(
すりあ
)
はせて
居
(
ゐ
)
る
細君
(
さいくん
)
を
呼
(
よ
)
んだ。
山の手小景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
叔母は
易者
(
えきしゃ
)
の手紙をひろげたなり、神山と入れ違いに来た女中の
美津
(
みつ
)
と、茶を入れる仕度に
忙
(
いそが
)
しかった。
お律と子等と
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
(
美津
(
みつ
)
、
下駄
(
げた
)
を
買
(
か
)
うてやるか。)と
言
(
い
)
つて
見
(
み
)
たが、
默
(
だま
)
つて
返事
(
へんじ
)
をしなかつた。
貞淑
(
ていしゆく
)
なる
細君
(
さいくん
)
は、
其
(
そ
)
の
品位
(
ひんゐ
)
を
保
(
たも
)
つこと、
恰
(
あたか
)
も
大籬
(
おほまがき
)
の
遊女
(
いうぢよ
)
の
如
(
ごと
)
く、
廊下
(
らうか
)
で
會話
(
くわいわ
)
を
交
(
まじ
)
へるのは、
仂
(
はした
)
ないと
思
(
おも
)
つたのであらう。
山の手小景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
美
常用漢字
小3
部首:⽺
9画
津
常用漢字
中学
部首:⽔
9画
“美津”で始まる語句
美津良