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眠
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ねむ
ふりがな文庫
“
眠
(
ねむ
)” の例文
断
(
ことわ
)
るのもめんどうと
思
(
おも
)
って、
手
(
て
)
ににぎっていた
財布
(
さいふ
)
を、
急
(
きゅう
)
にむしろの
下
(
した
)
に
隠
(
かく
)
して、
目
(
め
)
をつぶって
眠
(
ねむ
)
ったふりをしていたのであります。
善いことをした喜び
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
午前四時にのりこんだ船の中ではだれも
眠
(
ねむ
)
ろうとする者はなく、がやがやのさわぎの中で、「こんぴらふねふね」を歌うものもいた。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
ぼくは
運
(
うん
)
がよかったよ。こん夜は
泊
(
と
)
めてもらいたいね。ひさしぶりにゆっくり
眠
(
ねむ
)
りたいんだ。ベッドを
血
(
ち
)
でよごしてすまなかったね。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
御米
(
およね
)
はさも
心地好
(
こゝちよ
)
ささうに
眠
(
ねむ
)
つてゐた。つい
此
(
この
)
間
(
あひだ
)
迄
(
まで
)
は、
自分
(
じぶん
)
の
方
(
はう
)
が
好
(
よ
)
く
寐
(
ね
)
られて、
御米
(
およね
)
は
幾晩
(
いくばん
)
も
睡眠
(
すゐみん
)
の
不足
(
ふそく
)
に
惱
(
なや
)
まされたのであつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
片足
(
かたあし
)
は、
水
(
みづ
)
の
落口
(
おちくち
)
に
瀬
(
せ
)
を
搦
(
から
)
めて、
蘆
(
あし
)
のそよぐが
如
(
ごと
)
く、
片足
(
かたあし
)
は
鷺
(
さぎ
)
の
眠
(
ねむ
)
つたやうに
見
(
み
)
える。……
堰
(
せき
)
の
上
(
かみ
)
の
水
(
みづ
)
は
一際
(
ひときは
)
青
(
あを
)
く
澄
(
す
)
んで
靜
(
しづか
)
である。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
「さうだ、
全
(
まつた
)
く
蒸
(
む
)
すね。
惡
(
わる
)
くすると、
明日
(
あした
)
は
雨
(
あめ
)
だぜ‥‥」と、
私
(
わたし
)
は
振
(
ふ
)
り
向
(
む
)
き
樣
(
ざま
)
に
答
(
こた
)
へた。
河野
(
かうの
)
の
眠
(
ねむ
)
さうな
眼
(
め
)
が
闇
(
やみ
)
の
中
(
なか
)
にチラリと
光
(
ひか
)
つた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
一
本
(
ぽん
)
の大きな木の、うつろになった中に
入
(
はい
)
って、
犬
(
いぬ
)
どもを木のまわりに
集
(
あつ
)
めて、たくさんたき
火
(
び
)
をして、その
晩
(
ばん
)
は
眠
(
ねむ
)
ることにしました。
忠義な犬
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
顏色
(
かほいろ
)
は
蒼白
(
あをじろ
)
く、
姿
(
すがた
)
は
瘠
(
や
)
せて、
初中終
(
しよつちゆう
)
風邪
(
かぜ
)
を
引
(
ひ
)
き
易
(
やす
)
い、
少食
(
せうしよく
)
で
落々
(
おち/\
)
眠
(
ねむ
)
られぬ
質
(
たち
)
、一
杯
(
ぱい
)
の
酒
(
さけ
)
にも
眼
(
め
)
が
廻
(
まは
)
り、
往々
(
まゝ
)
ヒステリーが
起
(
おこ
)
るのである。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
中では、美しい花嫁が、王子の胸に頭をもたせて
眠
(
ねむ
)
っています。お姫さまは身をかがめて、王子の美しいひたいにキスをしました。
人魚の姫
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
黒い
枕木
(
まくらぎ
)
はみな
眠
(
ねむ
)
り、赤の
三角
(
さんかく
)
や黄色の点々、さまざまの
夢
(
ゆめ
)
を見ている時、若いあわれなシグナルはほっと小さなため
息
(
いき
)
をつきました。
シグナルとシグナレス
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
諸君
(
しよくん
)
も
御經驗
(
ごけいけん
)
であらうが
此樣
(
こん
)
な
時
(
とき
)
にはとても
眠
(
ねむ
)
られるものではない、
氣
(
き
)
を
焦
(
いらだ
)
てば
焦
(
いらだ
)
つ
程
(
ほど
)
眼
(
まなこ
)
は
冴
(
さ
)
えて
胸
(
むね
)
にはさま/″\の
妄想
(
もうざう
)
が
往來
(
わうらい
)
する。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
芋蟲
(
いもむし
)
と
愛
(
あい
)
ちやんとは
互
(
たがひ
)
に
暫
(
しばら
)
く
默
(
だま
)
つて
睨
(
にらめ
)
ツ
競
(
こ
)
をして
居
(
ゐ
)
ましたが、
終
(
つひ
)
に
芋蟲
(
いもむし
)
が
其口
(
そのくち
)
から
煙管
(
きせる
)
を
離
(
はな
)
して、
舌
(
した
)
ッたるいやうな
眠
(
ねむ
)
さうな
聲
(
こゑ
)
で
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
何もかも、しんと静まり返って、うちの犬までが、木戸のそばに丸くなって
眠
(
ねむ
)
っていた。わたしは、温室の
崩
(
くず
)
れ残りによじ登った。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
王子は一人で
空想
(
くうそう
)
にふけりながら、大空を
眺
(
なが
)
めてるうちに、いつか、うっとりした
気持
(
きもち
)
になって、うつらうつら
眠
(
ねむ
)
りかけました。
強い賢い王様の話
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
日
(
ひ
)
は
毎日
(
まいにち
)
、
出
(
で
)
る、
人
(
ひと
)
は
毎日
(
まいにち
)
働
(
はたら
)
け。さうすれば
毎晩
(
まいばん
)
安
(
やす
)
らかに
眠
(
ねむ
)
られる、さうすれば、
其翌日
(
そのよくじつ
)
は
又
(
また
)
新
(
あたら
)
しい
日
(
ひ
)
の
出
(
で
)
を
拜
(
をが
)
むことが
出來
(
でき
)
る。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
時々、番頭だの手代だのが、
眠
(
ねむ
)
そうな顔つきをして、
昨夜
(
ゆうべ
)
は持てたの振られたのと、こそ/\話をやって居るのを聞く事がある。
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「
済
(
す
)
まないのは、お
前
(
まえ
)
さんよりこっちのこと、
折角
(
せっかく
)
眠
(
ねむ
)
いところを、
早起
(
はやお
)
きをさせて、わざわざ
来
(
き
)
てもらいながら、
肝腎
(
かんじん
)
のおせんが。——」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
ニールスは
眠
(
ねむ
)
れませんでしたので、このブレーキンゲで、海と陸とがいっしょになってつくりだしている美しい景色をながめていました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
然
(
しか
)
しいつの
間
(
ま
)
にか
人
(
ひと
)
が
遠
(
とほ
)
くより
見
(
み
)
るやうに
成
(
な
)
つた。
行
(
ゆ
)
き
違
(
ちが
)
ふ
女房等
(
にようばうら
)
は
額
(
ひたひ
)
に
照
(
て
)
ら
(
ママ
)
れて
眠
(
ねむ
)
つて
居
(
ゐ
)
る
子
(
こ
)
を
見
(
み
)
て
痛々敷
(
いた/\しい
)
と
思
(
おも
)
ふのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
そうしているうちに二人は、だんだんと
眠
(
ねむ
)
くなって来ました。長い間あんまりひどい寒さにあっていると、だれでも眠くなるものなのです。
神様の布団
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
後
(
あと
)
で
神
(
かみ
)
さまから
伺
(
うかが
)
えば、
私
(
わたくし
)
はそれから十
年
(
ねん
)
近
(
ちか
)
くも
眠
(
ねむ
)
っていたとのことで、
自分
(
じぶん
)
ながらわが
身
(
み
)
の
腑甲斐
(
ふがい
)
なさに
呆
(
あき
)
れたことでございました……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
さればこそ
沙翁
(
さおう
)
の悲劇『ハムレット』にも、「死ぬるは
眠
(
ねむ
)
るなり、眠るはことやすけれど、眠る間に夢という恐ろしきものあるなれば
云々
(
うんぬん
)
」
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
千穂子は今は一日が長くて、住み
辛
(
づら
)
かった。
姑
(
しゅうとめ
)
の
膳
(
ぜん
)
をつくって
奥
(
おく
)
へ持って行くと、姑のまつは
薄目
(
うすめ
)
を明けたまま
眠
(
ねむ
)
っていた。
河沙魚
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
おぢさん「は〻あ、
可憐
(
かあい
)
いものだなあ。
動物園
(
どうぶつゑん
)
の
中
(
なか
)
でも
夜
(
よる
)
なんか
熊
(
くま
)
が
一番
(
いちばん
)
よく
眠
(
ねむ
)
るつてね、
嚊声
(
いびきごゑ
)
が
不忍池
(
しのばずのいけ
)
まで
聞
(
きこ
)
へるつてさ」
コドモノスケッチ帖:動物園にて
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
糟谷
(
かすや
)
はこう考えながら、自分には子どもがふたりあるということを
強
(
つよ
)
く感じて、心持ちよく
眠
(
ねむ
)
っている
妻子
(
さいし
)
をかえりみた。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
次第に
馴
(
な
)
れて来て、しまいには夜中看護婦が
眠
(
ねむ
)
っている間一代のうめき声を聴くと、寺田は見よう
見真似
(
みまね
)
の針を一代の腕に打ってやるのだった。
競馬
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
富「いやもう大きに疲れました、ハアーどうも夜
眠
(
ね
)
られんでな、大きに疲れました、
眠
(
ねむ
)
れんと云うのは誠にいかんものだ」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
陣中を大声でどなり、
眠
(
ねむ
)
っている者を起こして歩いて、うまやにかけもどるなり、朝月の
平首
(
ひらくび
)
へかじりつくようにして
三両清兵衛と名馬朝月
(新字新仮名)
/
安藤盛
(著)
「ひどく
眠
(
ねむ
)
がつてゐて、又すぐに寐てしまひましたから、何にも知らないらしいのです。それにしても、
骸骨
(
がいこつ
)
が映るなんて一体どうしたんでせう。」
影を踏まれた女:近代異妖編
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
要吉は、夢の中で、そういいながら、ごろんとひとつ
寝
(
ね
)
がえりをうつと、
昼間
(
ひるま
)
のつかれで、今度は夢もなんにも見ない、深い
眠
(
ねむ
)
りにおちていきました。
水菓子屋の要吉
(新字新仮名)
/
木内高音
(著)
巣
(
す
)
の
中
(
なか
)
で、
胸毛
(
むなげ
)
にふかく
頸
(
くび
)
をうづめた
母燕
(
おやつばめ
)
が
眠
(
ねむ
)
るでもなく
目
(
め
)
をつぶつてじつとしてゐると
雛
(
ひな
)
の一つがたづねました。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
「この頃はお友達の詩人の
藤村
(
ふじむら
)
女史に来て貰って、バロック時代の
服飾
(
ふくしょく
)
の研究を始めた」とか「日本のバロック時代の天才彫刻家左
甚五郎
(
じんごろう
)
作の
眠
(
ねむ
)
り
猫
(
ねこ
)
を ...
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
そこには、深海の闇に自ら光を放つ盲魚共のように、彼の過去の世の経験の数々が音もなく
眠
(
ねむ
)
っているのである。
木乃伊
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
両方とも、
眠
(
ねむ
)
れない。にんじんは、寝返りを打つ。息がつまる。空気を
捜
(
さが
)
す。
爺
(
じい
)
さんは、それが
可哀
(
かわい
)
そうなのだ。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
十二日には、主人の出社を待って、
暇乞
(
いとまごい
)
して店を出で、麻布の伯父の家を
訪
(
と
)
うて二階に上り、一時間半程
眠
(
ねむ
)
った。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
あたたかい寝床の中で、うつらうつらと、できるだけ
眠
(
ねむ
)
りを引きのばすことを、人間の誠意以上に、たいせつにする心、これは決して深い心だとはいえまい。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
繼
(
つが
)
せ其身は
只
(
たゞ
)
明暮
(
あけくれ
)
念佛
(
ねんぶつ
)
の門に入て
名號
(
みやうがう
)
を
唱
(
とな
)
ふる
外
(
ほか
)
他事
(
たじ
)
無
(
なか
)
りしとぞ依て
追々
(
おひ/\
)
佛果
(
ぶつくわ
)
を得富右衞門は
長命
(
ちやうめい
)
にて
終
(
つひ
)
に年齡八十一歳に至り
眠
(
ねむ
)
るが如く
大往生
(
だいわうじやう
)
を遂げしとぞ
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
天皇は二人がそんな
怖
(
おそ
)
ろしいたくらみをしているとはご存じないものですから、ある晩、なんのお気もなく、皇后のおひざをまくらにしてお
眠
(
ねむ
)
りになりました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
前夜、
眠
(
ねむ
)
られぬ頭は重く、
涯
(
はて
)
しないみどりの
芝生
(
しばふ
)
に、初夏の
陽
(
ひ
)
の
燦然
(
さんぜん
)
たる風景も、眼に痛いおもいでした。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
すると、
即
(
やが
)
て
慄然
(
ぞっ
)
として
眠
(
ねむ
)
たいやうな
氣持
(
きもち
)
が
血管中
(
けっくわんぢゅう
)
に
行渡
(
ゆきわた
)
り、
脈搏
(
みゃくはく
)
も
例
(
いつも
)
のやうではなうて、
全
(
まった
)
く
止
(
や
)
み、
生
(
い
)
きてをるとは
思
(
おも
)
はれぬ
程
(
ほど
)
に
呼吸
(
こきふ
)
も
止
(
とま
)
り、
體温
(
ぬくみ
)
も
失
(
う
)
する。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
民も又戦国の民なれば、
一三六
耒
(
すき
)
を
釈
(
す
)
てて
矛
(
ほこ
)
に
易
(
か
)
へ、
一三七
農事
(
なりはひ
)
をこととせず。士たるもの枕を高くして
眠
(
ねむ
)
るべからず。今の
体
(
さま
)
にては長く不
朽
(
きう
)
の
政
(
まつりごと
)
にもあらじ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
夜
(
よる
)
の
色
(
いろ
)
にその
葉
(
は
)
の
緑
(
みどり
)
は
黒
(
くろ
)
ずみ、
可愛
(
かあい
)
らしい
珊瑚珠
(
さんごじゆ
)
のやうな
赤
(
あか
)
い
實
(
み
)
も
眠
(
ねむ
)
たげではあるけれど、
荒涼
(
くわうりやう
)
たる
冬
(
ふゆ
)
に
於
(
お
)
ける
唯
(
ゆゐ
)
一の
彩
(
いろど
)
りが、
自然
(
しぜん
)
の
野
(
の
)
からこの
部屋
(
へや
)
に
移
(
うつ
)
されて
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
罌粟
(
けし
)
の
花
(
はな
)
、
愛
(
あい
)
の疲の
眠
(
ねむり
)
、片田舍の廢園。
蓬生
(
よもぎふ
)
の
中
(
なか
)
に、ぐつすり
眠
(
ねむ
)
るまろ
寢姿
(
ねすがた
)
——靴の
音
(
おと
)
にも眼が醒めぬ。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
高音
(
たかね
)
ではないが、このすんだ四
更
(
こう
)
の
無音界
(
むおんかい
)
には、それが、いつまでも
消
(
き
)
えないほどゆるく流れまわって、すべてのものの
眠
(
ねむ
)
りをいっそう深くさせるようであった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
此
(
この
)
時などは実に
日夜
(
にちや
)
眠
(
ねむ
)
らぬほどの
経営
(
けいえい
)
で、
又
(
また
)
石橋
(
いしばし
)
の
奔走
(
ほんそう
)
は
目覚
(
めざま
)
しいものでした、出版の事は
一切
(
いつさい
)
山田
(
やまだ
)
が
担任
(
たんにん
)
で、
神田
(
かんだ
)
今川小路
(
いまがはかうぢ
)
の
金玉出版会社
(
きんぎよくしゆつぱんくわいしや
)
と
云
(
い
)
ふのに
掛合
(
かけあ
)
ひました
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
そこには
父
(
とう
)
さんのお
家
(
いへ
)
の
御先祖
(
ごせんぞ
)
さま
達
(
たち
)
も、
紅
(
あか
)
い
椿
(
つばき
)
の
花
(
はな
)
なぞの
咲
(
さ
)
くところで
靜
(
しづ
)
かに
眠
(
ねむ
)
つて
居
(
を
)
りました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
扉
(
ドア
)
をノックする音に続いて、もうその扉が外から開いて、ボーイが、
眠
(
ねむ
)
たさうな顔をつきだした。
落葉日記
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
長
(
なが
)
く水流中に在りし
冷気
(
れいき
)
と
露営
(
ろえい
)
の
寒気
(
かんき
)
と
合
(
あは
)
せ来るに
逢
(
あ
)
ひ、此好温泉塲を
得
(
え
)
て
初
(
はじ
)
めて
蘇生
(
そせい
)
するの
想
(
おもひ
)
あり、一行の内終夜温泉に浴して
眠
(
ねむ
)
りし者多し、
真
(
しん
)
に山中の
楽園
(
らくえん
)
と謂ふべし
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
生
(
い
)
ける
銃架
(
じうか
)
。おう
家
(
いへ
)
を
離
(
はな
)
れて
野
(
の
)
に
結
(
むす
)
ぶ
眠
(
ねむ
)
りの
裡
(
うち
)
に、
風
(
かぜ
)
は
故郷
(
こきやう
)
のたよりをお
前
(
まへ
)
に
伝
(
つた
)
へないのか
生ける銃架:――満洲駐屯軍兵卒に――
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
その夜源三は
眠
(
ねむ
)
りかねたが、それでも少年の罪の無さには
暁天方
(
あかつきがた
)
になってトロリとした。
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
眠
常用漢字
中学
部首:⽬
10画
“眠”を含む語句
睡眠
居眠
催眠術
眠付
眠気
睡眠剤
眠氣
坐眠
催眠
催眠剤
眠込
眠足
春眠
不眠不休
間眠
仮眠
眠不足
眠入
惰眠
嗜眠
...