やす)” の例文
かれ詮方せんかたなくおやすみなさい、とか、左樣さやうなら、とかつてやうとすれば、『勝手かつてにしやがれ。』と怒鳴どなける權幕けんまく
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
朝起きりゃ、お早う、晩になりゃ、おやすみくらいの挨拶を知ってるなら、拙者、何処そこのなにがしくらいのこたあ、云っちゃあ、何うだい。大概、人を馬鹿にするない。
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
「あなたはよっぽど疲れていらっしゃるんでしょう。もうやすんで下さい。」
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
蛋白石色オパアルいろ薔薇ばらの花、後宮こうきゆう香烟かうえんにつつまれてやす土耳古トルコの皇后、蛋白石色オパアルいろ薔薇ばらの花、絶間無たえまななでさすりのつかれ、おまへの心はしたたかに滿足した惡徳の深い安心を知つてゐる、僞善ぎぜんの花よ
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
「あなたこそ……もつとよくおやすみにならなくつちや……」
荒天吉日 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
「離れの方に……まだやすんで……ホホホ」とお松は笑う。
善悪両面鼠小僧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「さあ/\、おとなしくおやすみ遊ばせ。お母さまはこゝにはいらっしゃいませんけれども、そう遠くない所にいらっしゃるのですよ。おとなしくしていらっしゃれば、きっとお母さまの所へ連れて行って上げますよ」
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「お従妹さんはぐっすりやすんでいられますよ」
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
かれ詮方せんかたなくおやすみなさい、とか、左様さようなら、とかってようとすれば、『勝手かってにしやがれ。』と怒鳴どなける権幕けんまく
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「嫌よ、そんなこと。貴下あなた、頭が、どうかしているわ。さ暫く、おやすみなさいね。」
ロボットとベッドの重量 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
「ほんとによくおやすみになりましたねえ」
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
、って風にね。……ところが君、事ひとたびお金のことに及ぼうものならたちまち……御覧の通りさ……お金は君、偉大なものだよ……じゃ、おやすみ。
マリ・デル (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「はい、もう、更けましたゆえ、おやすみなされませぬか」
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
「師匠はおやすみですかえ」
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
やすみなさいを言おうとしたが、いきなり泣き出してしまった。
「未だ、やすみやらぬかえ」
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)