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眠
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ねぶ
ふりがな文庫
“
眠
(
ねぶ
)” の例文
湯から出たら「公先づ
眠
(
ねぶ
)
れ」と云ふ。若い坊さんが厚い蒲團を十二疊の部屋に擔ぎ込む。「郡内か」と聞いたら「太織だ」と答へた。
京に着ける夕
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
昨夜
(
ゆふべ
)
は夜もすがら静に
眠
(
ねぶ
)
りて、今朝は誰れより一はな懸けに目を覚し、顔を洗ひ髪を
撫
(
な
)
でつけて着物もみづから気に入りしを
取出
(
とりいだ
)
し
うつせみ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
月は出でしかど、
三四
茂
(
しげ
)
きが
林
(
もと
)
は影をもらさねば、
三五
あやなき
闇
(
やみ
)
にうらぶれて、
眠
(
ねぶ
)
るともなきに、まさしく
三六
円位
(
ゑんゐ
)
々々とよぶ声す。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
然
(
そ
)
うすれば此の
家
(
うち
)
は
皆
(
みんな
)
己のもんだ、貴方が私の女房に成ってくれゝば、誠に嬉しいだが、今夜同志に此の座敷で
眠
(
ねぶ
)
っても
宜
(
よ
)
かんべえ
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ヂュリ
誰
(
た
)
れぢゃ
呼
(
よ
)
ぶは?
母
(
かゝ
)
さまか
知
(
し
)
らぬ。
晩
(
おそ
)
うまで
眠
(
ねぶ
)
らいでか、
早
(
はや
)
うから
目
(
め
)
を
覺
(
さま
)
してか?
何事
(
なにごと
)
があって、
見
(
み
)
えたやら?
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
▼ もっと見る
最初充分に食物を与えずにおくと、囚徒らは疲労を感じて
眠
(
ねぶ
)
たがる。何か注文があるかと聞くと、ひもじいからもっと食べさしてほしいと言う。
貧乏物語
(新字新仮名)
/
河上肇
(著)
早く、手遅れにならんうちに、お勢の
眠
(
ねぶ
)
った本心を覚まさなければならん、が、しかし誰がお勢のためにこの事に当ろう?
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
或日黄金丸は、用事ありて里に出でし
帰途
(
かえるさ
)
、独り
畠径
(
はたみち
)
を
辿
(
たど
)
り
往
(
ゆ
)
くに、
只
(
と
)
見れば
彼方
(
かなた
)
の山岸の、野菊あまた咲き乱れたる
下
(
もと
)
に、黄なる
獣
(
けもの
)
眠
(
ねぶ
)
りをれり。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
煎
(
せん
)
じて
在
(
あり
)
しが夫と見るより
言葉
(
ことば
)
を
改
(
あらた
)
め是は/\
御深切
(
ごしんせつ
)
に
毎々
(
いつも/\
)
御尋
(
おたづ
)
ね今日は何よりも心
能
(
よき
)
樣子にてすや/\
眠
(
ねぶ
)
り居候と云を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
あわぬ
詮索
(
せんさく
)
に日を消すより極楽は
瞼
(
まぶた
)
の合うた一時とその能とするところは呑むなり酔うなり
眠
(
ねぶ
)
るなり自堕落は馴れるに早くいつまでも血気
熾
(
さか
)
んとわれから信用を
かくれんぼ
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
夜
(
よ
)
に
入
(
い
)
り候ては又気分変り、胸の内
俄
(
にはか
)
に
冱々
(
さえざえ
)
と
相成
(
あひなり
)
、なかなか
眠
(
ねぶ
)
り居り候空は
無之
(
これなく
)
、かかる折に人は如何やうの事を考へ候ものと
思召被成
(
おぼしめしなされ
)
候や、又其人私に候はば何と
可有之候
(
これあるべくさふらふ
)
や
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
霞
(
かすみ
)
のごとくに思われたので、どうかすると悲しくなッて来て、時々泣き出したこともあッたが,なに、それだとて
暫時
(
ざんじ
)
の間で、すぐまた飛んだり
躍
(
は
)
ねたりして、夜も相変らずよく
眠
(
ねぶ
)
ッた。
初恋
(新字新仮名)
/
矢崎嵯峨の舎
(著)
咽喉
(
のど
)
ぼとけ母に剃らせてうつうつと
眠
(
ねぶ
)
りましたり父は口あけて (二六七頁)
文庫版『雀の卵』覚書
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
私
(
わたくし
)
は
衣服
(
ゐふく
)
を
更
(
あらた
)
めて
寢臺
(
ねだい
)
に
横
(
よこたわ
)
つたが、
何故
(
なぜ
)
か
少
(
すこ
)
しも
眠
(
ねぶ
)
られなかつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
深きを比べ難からむ、彼は
眠
(
ねぶ
)
りて
寢
(
ね
)
おびれて
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
歸りて
眠
(
ねぶ
)
りしは十時過なりき。
秋の岐蘇路
(旧字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
眠
(
ねぶ
)
りたる
巨人
(
きよじん
)
ならずや
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
昨夜
(
ゆうべ
)
は
夜
(
よ
)
もすがら
靜
(
しづか
)
に
眠
(
ねぶ
)
りて、
今朝
(
けさ
)
は
誰
(
た
)
れより
一
(
いち
)
はな
懸
(
が
)
けに
目
(
め
)
を
覺
(
さま
)
し、
顏
(
かほ
)
を
洗
(
あら
)
ひ
髮
(
かみ
)
を
撫
(
な
)
でつけて
着物
(
きもの
)
もみづから
氣
(
き
)
に
入
(
い
)
りしを
取出
(
とりいだ
)
し
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
早「
眠
(
ねぶ
)
ったかね/\、お客さん眠ったかえ……居ねえか……約束だから来ただ、
幮
(
かや
)
の中へ
入
(
ひえ
)
っても
宜
(
え
)
いかえ
入
(
ひえ
)
るよ、入っても宜いかえ」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
二本の足を硬く
揃
(
そろ
)
えて、胴と直線に伸ばしていた。自分は籠の
傍
(
わき
)
に立って、じっと文鳥を見守った。黒い眼を
眠
(
ねぶ
)
っている。
瞼
(
まぶた
)
の色は
薄蒼
(
うすあお
)
く変った。
文鳥
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
橋の下に
眠
(
ねぶ
)
っている
乞食
(
こじき
)
の方がかえって幸福だ、というような説も出るのであるが、私だって金持ちになるほど幸福なものだと一概に言うのでは決してない。
貧乏物語
(新字新仮名)
/
河上肇
(著)
眠
(
ねぶ
)
りて居られたりと昔し足利家の
御世
(
みよ
)
名奉行
(
めいぶぎやう
)
と世に
稱
(
たゝ
)
へたる
青砥
(
あをと
)
左衞門尉藤綱も
訴訟
(
うつたへ
)
を
聽
(
きく
)
時は必らず目を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「こは
棄
(
す
)
ておけぬ事どもかな、
他
(
かれ
)
もし朱目が薬によりて、その痍全く愈えたらんには、再び怎麼なる
憂苦
(
うきめ
)
をや見ん。とかく
彼奴
(
きゃつ
)
を亡きものにせでは、
枕
(
まくら
)
を高く
眠
(
ねぶ
)
られじ」
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
空
(
むな
)
しくそっと引き退け酔うでもなく
眠
(
ねぶ
)
るでもなくただじゃらくらと
更
(
ふ
)
けるも知らぬ夜々の長坐敷つい出そびれて帰りしが山村の
若旦那
(
わかだんな
)
と言えば
温和
(
おとな
)
しい方よと小春が顔に花散る
容子
(
ようす
)
を
かくれんぼ
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
和気
(
かき
)
香風の
中
(
うち
)
に、
臥榻
(
がとう
)
を据えてその上に
臥
(
ね
)
そべり、次第に
遠
(
とおざか
)
り往く
虻
(
あぶ
)
の声を聞きながら、
眠
(
ねぶ
)
るでもなく眠らぬでもなく、唯ウトウトとしているが如く、何ともかとも言様なく
愉快
(
こころよか
)
ッたが
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
そのなつかしい名を刻んだ
苔蒸
(
こけむ
)
す石は依然として、
寂寞
(
せきばく
)
たるところに立ッているが、その下に
眠
(
ねぶ
)
るかの人の声は、またこの世では聞かれない,しかしかくいう白頭の
翁
(
おきな
)
が同じく石の下に眠るのも
初恋
(新字新仮名)
/
矢崎嵯峨の舎
(著)
足下
(
きみ
)
は
昨夜
(
ゆうべ
)
はマブ
媛
(
ひめ
)
(夢妖精)とお
臥
(
ね
)
やったな!
彼奴
(
あいつ
)
は
妄想
(
もうざう
)
を
産
(
う
)
まする
産婆
(
さんば
)
ぢゃ、
町年寄
(
まちどしより
)
の
指輪
(
ゆびわ
)
に
光
(
ひか
)
る
瑪瑙玉
(
めなうだま
)
よりも
小
(
ちひ
)
さい
姿
(
すがた
)
で、
芥子粒
(
けしつぶ
)
の一
群
(
ぐん
)
に
車
(
くるま
)
を
牽
(
ひか
)
せて、
眠
(
ねぶ
)
ってゐる
人間
(
にんげん
)
の
鼻柱
(
はなばしら
)
を
横切
(
よこぎ
)
りをる。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
咽喉
(
のど
)
ぼとけ母に剃らせてうつうつと
眠
(
ねぶ
)
りましたりこれや吾が父
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
搖られながらに
眠
(
ねぶ
)
りゆく、その車なる紋章は
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
眠
(
ねぶ
)
りたる
巨人
(
きよじん
)
は
知
(
し
)
らず
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
久「あはー……
眠
(
ねぶ
)
ったいに、まどうもアハー(あくび)むにゃ/\/\、や、こりゃア甲州屋の早四郎か、
大層
(
ていそう
)
遅く来たなア」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
何だ
喧
(
やかま
)
しい
贅言
(
たはごと
)
云ずと此
己
(
おれ
)
を叔父だと
云
(
ぬか
)
せば
濟
(
すむ
)
事だと
罵
(
のゝし
)
る聲の耳に
入
(
いり
)
九郎兵衞は不※目を
覺
(
さま
)
し猶も樣子を
打聞
(
うちきく
)
に
詫
(
わび
)
る一人の女の聲扨は我今
眠
(
ねぶ
)
りし中
惡物
(
わるもの
)
共がお里を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
娘は
先刻
(
さき
)
の涙に身を
揉
(
も
)
みしかば、さらでもの疲れ甚しく、なよなよと母の膝へ寄添ひしまま
眠
(
ねぶ
)
れば
うつせみ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
夢に文鳥を
背負
(
しょ
)
い
込
(
こ
)
んだ心持は、少し寒かったが
眠
(
ねぶ
)
ってみれば
不断
(
ふだん
)
の
夜
(
よる
)
のごとく穏かである。
文鳥
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
天つ日の光に馴れて
世人
(
よびと
)
みな
眠
(
ねぶ
)
たごころの未だ飽かなく
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
序詞役
扨
(
さて
)
も
老
(
お
)
いにたる
情慾
(
じゃうよく
)
は
方
(
まさ
)
に
最期
(
いまは
)
の
床
(
とこ
)
に
眠
(
ねぶ
)
りて
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
靜かに
眠
(
ねぶ
)
りて、
寢魂
(
ねるたま
)
の
夜
(
よる
)
の宮にも事あらで
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
娘
(
むすめ
)
は
先刻
(
さき
)
の
涙
(
なみだ
)
に
身
(
み
)
を
揉
(
も
)
みしかば、さらでもの
疲
(
つか
)
れ
甚
(
はなはだ
)
しく、なよ/\と
母
(
はゝ
)
の
膝
(
ひざ
)
へ
寄添
(
よりそ
)
ひしまゝ
眠
(
ねぶ
)
れば
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
湯に
入
(
い
)
って顫えたものは
古往今来
(
こおうこんらい
)
たくさんあるまいと思う。湯から出たら「公まず
眠
(
ねぶ
)
れ」と云う。若い坊さんが厚い
蒲団
(
ふとん
)
を十二畳の部屋に
担
(
かつ
)
ぎ
込
(
こ
)
む。「
郡内
(
ぐんない
)
か」と聞いたら「
太織
(
ふとおり
)
だ」と答えた。
京に着ける夕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その
疾
(
と
)
さあらめ、
宛
(
あたか
)
も
眠
(
ねぶ
)
り
転
(
まろ
)
び
機縁:(友なる画家の画稿に題す)
(新字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
氣分すぐれて良き時は
三歳兒
(
みつご
)
のやうに父母の膝に
眠
(
ねぶ
)
るか、白紙を切つて姉樣の
製造
(
おつくり
)
に餘念なく、物を問へばにこ/\と打笑みて唯はい/\と意味もなき返事をする
温順
(
おとな
)
しさも
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
自分は
眠
(
ねぶ
)
くなったから、窓の所へ頭を持たしてうとうとした。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
氣分
(
きぶん
)
すぐれてよき
時
(
とき
)
は
三歳兒
(
みつご
)
のやうに
父母
(
ちゝはゝ
)
の
膝
(
ひざ
)
に
眠
(
ねぶ
)
るか、
白紙
(
はくし
)
を
切
(
き
)
つて
姉樣
(
あねさま
)
のお
製
(
つくり
)
に
餘念
(
よねん
)
なく、
物
(
もの
)
を
問
(
と
)
へばにこ/\と
打笑
(
うちゑ
)
みて
唯
(
たゞ
)
はい/\と
意味
(
いみ
)
もなき
返事
(
へんじ
)
をする
温順
(
おとな
)
しさも
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
気分すぐれて良き時は
三歳児
(
みつご
)
のやうに父母の
膝
(
ひざ
)
に
眠
(
ねぶ
)
るか、白紙を切つて姉様の
製造
(
おつくり
)
に余念なく、物を問へばにこにこと
打笑
(
うちゑ
)
みて唯はいはいと意味もなき返事をする
温順
(
をとな
)
しさも
うつせみ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
眠
常用漢字
中学
部首:⽬
10画
“眠”を含む語句
睡眠
居眠
催眠術
眠付
眠気
睡眠剤
眠氣
坐眠
催眠
催眠剤
眠込
眠足
春眠
不眠不休
間眠
仮眠
眠不足
眠入
惰眠
嗜眠
...