)” の例文
折角やう/\のこと夜中時分にどうやらおりなすつたらしいところを、この人が目をさましてお泣きになると、私は身を切られるやうでしたよ。
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
「矢張りおったままで『済まん、細木永之丞君、命令だったからじゃ、済まん』と、仰有おっしゃったじゃアありませんか」
甲州鎮撫隊 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「だツてさ、お前、其様なにおツちや、くろめとろけてお了ひなさるよ。じようだんじやないわね。」
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
れは水飴でございますが、夜分になりますとお咳が出ますとのこと、其の咳を防ぎますのは水飴が宜しいとのことで、これは極製ごくせいの水飴で、これを召上れば宜くおられます
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「でも、くおツてゐらツしやるんだもの、惡いわ。」と今度はまるい柔な聲がする。基れはお房で。周三は何といふことは無くじつと耳を澄ました。眼はパツチリ覺めて了つた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)