しつ)” の例文
しつ!……これ丑滿時うしみつどきおもへ。ひとりわらひはばけものじみると、ひとりでたしなんでかたをすくめる。と、またしんとなる。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しつ! 静かに!」君香は四辺あたりを素早く見廻はし乍ら云つた。「一寸、出ていらつしやい! 大変な事なのよ!」
何故にさは云ふかとしつすれば、御迎おむかえに来るとき、東光寺の壁の下に、小坊主の一人立ちて在るを見しが、一目見て甚だ戦慄せんりつせし故に、かく申す也と答ふ。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
余は道の東西をも分かず、思に沈みて行く程に、往きあふ馬車の馭丁に幾度かしつせられ、驚きて飛びのきつ。暫くしてふとあたりを見れば、獣苑のかたはらに出でたり。
舞姫 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「飯を、飯を!」とをんなしつして、と奥の間の紙門ふすまひらけば、何ぞ図らん燈火ともしびの前に人の影在り。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
(いんえ御懇ごねむごろにはおよびましねえ。しつ!、)と荒縄あらなはつなく。あを蘆毛あしげ裸馬はだかうまたくましいが、たてがみうすおすぢやわい。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そしてあわてて袂の中にそれをかくし乍ら「しつ!」と云つて睨み、何喰はぬ顔ですました。
ふうちに、とびかゝつて、三疋四疋さんびきしひき就中なかんづく先頭せんとうつたのには、停車場ていしやばぢかると、五疋ごひきばかり、前後ぜんごからびかゝつた。しつしつしつ! 畜生ちくしやう畜生ちくしやう畜生ちくしやう
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
しつ!」
しつ! だまつて/\と、くばせして、衣紋坂えもんざかより土手どてでしが、さいは神田かんだ伯父をぢはず、客待きやくまちくるまと、はげしい人通ひとどほり眞晝間まつぴるま露店ほしみせしろ西瓜すゐくわほこりだらけの金鍔燒きんつばやき
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ヒイヽン! しつ、どうどうどうと背戸せどまわひづめおとえんひゞいて親仁おやぢは一とううま門前もんぜん引出ひきだした。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ふつさりとむすんでさげたその姫樣ひいさまおびくはへたり、くちをなめたりして、落着おちついたふうでじやれてゐるのを、附添つきそひが、つとつけて、びツくりして、しつ! といつてひやつた。
迷子 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
るから、提灯ちやうちんかざして、「しつ。」と女中部屋ぢよちうべやはひつた。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しつ! 叱!)
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しつ……」
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しつ……」
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しつ!」
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)