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返
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へん
ふりがな文庫
“
返
(
へん
)” の例文
敬太郎は夜中に二
返
(
へん
)
眼を
覚
(
さ
)
ました。一度は
咽喉
(
のど
)
が渇いたため、一度は夢を見たためであった。三度目に眼が
開
(
あ
)
いた時は、もう明るくなっていた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
金太郎は路傍の道しるべの石に片足をかけて、自轉車に
跨
(
またが
)
つたまゝ憩みながら、今
晩
(
ばん
)
たつといふ
返
(
へん
)
事をした。
坂道
(旧字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
碌々
(
ろく/\
)
耳にも入ず
適々
(
たま/\
)
の御無心と云殊には母のことなれば
何樣
(
どのやう
)
にも都合して
上度
(
あげたき
)
は山々なれども
當暮
(
たうくれ
)
は未だ
掛先
(
かけさき
)
より少も拂ひが集まらず
其外
(
そのほか
)
不都合だらけにて
頓
(
とん
)
と金子は手廻り兼ればお氣の毒ながら御
斷
(
ことわ
)
り申ます
勿々
(
なか/\
)
私し
風情
(
ふぜい
)
の身にて人の
合力
(
がふりよく
)
など致す程の
器量
(
きりやう
)
はなし
外々
(
ほか/\
)
にて御都合成れよと取付端もなき
返
(
へん
)
答にお菊は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
こんな事を聞いたり答えたり三四
返
(
へん
)
しているうちに、僕はいつの間にか昔と同じように美くしい素直な邪気のない千代子を眼の前に見る気がし出した。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
こんな
問答
(
もんだふ
)
を
最初
(
さいしよ
)
は
月
(
つき
)
に一二
返
(
へん
)
位
(
ぐらゐ
)
繰
(
く
)
り
返
(
かへ
)
してゐたが、
後
(
のち
)
には
二月
(
ふたつき
)
に一
返
(
ぺん
)
になり、
三月
(
みつき
)
に一
返
(
ぺん
)
になり、とう/\
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
余は口の中で、第二の葬式と云う言葉をしきりに繰り返した。人の一度は必ずやって貰う葬式を、余だけはどうしても二
返
(
へん
)
執行しなければすまないと思ったからである。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「なに
宅
(
うち
)
を
持
(
も
)
ち
立
(
た
)
てだものだから、
毎日々々
(
まいにち/\
)
要
(
い
)
るものを
新
(
あた
)
らしく
發見
(
はつけん
)
するんで、一
週
(
しう
)
に一二
返
(
へん
)
は
是非
(
ぜひ
)
都
(
みやこ
)
迄
(
まで
)
買
(
か
)
ひ
出
(
だ
)
しに
行
(
い
)
かなければならない」と
云
(
い
)
ひながら
安井
(
やすゐ
)
は
笑
(
わら
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
代助は子供の頃非常な
肝癪持
(
かんしゃくもち
)
で、十八九の時分親爺と組打をした事が一二
返
(
へん
)
ある位だが、成長して学校を卒業して、しばらくすると、この肝癪がぱたりと已んでしまった。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
もし帽子を
被
(
かぶ
)
らない男が突然彼の行手を遮らなかったなら、彼は何時もの通り
千駄木
(
せんだぎ
)
の町を毎日二
返
(
へん
)
規則正しく往来するだけで、当分外の方角へは足を向けずにしまったろう。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「ちょっと失敬だが待ってくれ給え。さっきから伺っていると○○子さんと云うのが二
返
(
へん
)
ばかり聞えるようだが、もし
差支
(
さしつか
)
えがなければ
承
(
うけたま
)
わりたいね、君」と主人を
顧
(
かえり
)
みると
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
思うに一日生きれば一日の結構で、二日生きれば二日の結構であろう。その上頭が使えたらなおありがたいと云わなければなるまい。ハイズンは世間から二
返
(
へん
)
も死んだと評判された。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
圭さんは、何にも云わずに、
平手
(
ひらて
)
で、自分の坊主頭をぴしゃぴしゃと二
返
(
へん
)
叩
(
たた
)
いた。
二百十日
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
余は茂る葉を見ようと思い、青き野を
眺
(
なが
)
めようと思うて実は裏の窓から首を出したのである。首はすでに二
返
(
へん
)
ばかり出したが青いものも何にも見えぬ。右に家が見える。
左
(
ひだ
)
りに家が見える。
カーライル博物館
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
始めて三千代に
逢
(
あ
)
った時、三千代はただ御辞儀をしただけで引込んでしまった。代助は上野の森を評して帰って来た。二
返
(
へん
)
行っても、三返行っても、三千代はただ御茶を持って出るだけであった。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
返
常用漢字
小3
部首:⾡
7画
“返”を含む語句
引返
銀杏返
返答
返報
振返
往返
返辞
鸚鵡返
取返
忍返
突返
返事
見返
反返
寝返
意趣返
裏返
恩返
返咲
返却
...