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か
ふりがな文庫
“
返
(
か
)” の例文
そして嫁の寝ている胸の真上と
覚
(
おぼ
)
しき
処
(
ところ
)
まで、その足音が来たかと思う時、その死に
瀕
(
ひん
)
した病人が
跳
(
はね
)
ッ
返
(
か
)
えるように
苦悶
(
くもん
)
し始めた。
白い光と上野の鐘
(新字新仮名)
/
沼田一雅
(著)
『誠に濟まんことを致しました。
何
(
な
)
んなら次ぎの
下
(
くだ
)
りでお
引
(
ひ
)
ツ
返
(
か
)
へし下さりましたら。』と、車掌は
無恰好
(
ぶかつかう
)
に
揉
(
も
)
み手をした。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
沖
(
おき
)
なる
島山
(
しまやま
)
の
頂
(
いたゞき
)
は
紫嵐
(
しらん
)
に
包
(
つゝ
)
まれ、
天地
(
てんち
)
見
(
み
)
るとして
清新
(
せいしん
)
の
氣
(
き
)
に
充
(
み
)
たされて
居
(
ゐ
)
る
時
(
とき
)
、
濱
(
はま
)
は
寂寞
(
じやくばく
)
として
一
(
いつ
)
の
人影
(
じんえい
)
なく、
穩
(
おだや
)
かに
寄
(
よ
)
せては
返
(
か
)
へす
浪
(
なみ
)
を
弄
(
ろう
)
し
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
開
(
ひら
)
けたる所は
月光
(
げつくわう
)
水
(
みづ
)
の如く流れ、
樹下
(
じゆか
)
は
月光
(
げつくわう
)
青
(
あを
)
き雨の如くに漏りぬ。
歩
(
ほ
)
を
返
(
か
)
へして、木蔭を
過
(
す
)
ぐるに、
灯火
(
ともしび
)
のかげ
木
(
こ
)
の
間
(
ま
)
を
漏
(
も
)
れて、人の
夜涼
(
やれう
)
に
語
(
かた
)
るあり。
良夜
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
「天国ではお酒が高いに相違ない。蝋燭は以前お寺で
聖母
(
マリヤ
)
様の前にあつたのを盗んだから、
返
(
か
)
へさなくつちや。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
やがては
令孃
(
ひめ
)
をも
幸福
(
かうふく
)
の
位置
(
ゐち
)
に
据
(
す
)
ゑて、
不名譽
(
ふめいよ
)
の
取
(
と
)
り
返
(
か
)
へしは
譯
(
わけ
)
もなきことなり、
扨
(
さて
)
も
濱千鳥
(
はまちどり
)
ふみ
通
(
かよ
)
ふ
道
(
みち
)
はと
夜
(
よ
)
もすがら
筆
(
ふで
)
を
握
(
にぎ
)
りしが、もとより
蓮葉
(
はすは
)
ならぬ
令孃
(
ひめ
)
の
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
この金を誰に
返
(
か
)
えさなければならぬ、
之
(
これ
)
を
此方
(
こちら
)
に振向けなければならぬと云うような事は絶えてない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
金で酒を買い、金で
妾
(
めかけ
)
を買い、金で邸宅、
朋友
(
ほうゆう
)
、
従五位
(
じゅごい
)
まで買った
連中
(
れんじゅう
)
は金さえあれば何でも出来るさと金庫を横目に
睨
(
にら
)
んで
高
(
たか
)
を
括
(
くく
)
った鼻先を
虚空
(
こくう
)
遥
(
はる
)
かに
反
(
そ
)
り
返
(
か
)
えす。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかし砂糖の煮方が悪いと一旦飴のようになったものが
一月
(
ひとつき
)
も過ぎない内に砂糖に
返
(
か
)
えってボロボロします。和製のドロップスにボロボロするのが多いのは煮方が粗末なのです。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
それが
何
(
なん
)
だかよく
見
(
み
)
もしないで、
仲間
(
なかま
)
に
氣
(
き
)
づかれないやうに、そのまま、そつと
砂
(
すな
)
をかけて、
知
(
し
)
らない
顏
(
かほ
)
をして
引
(
ひ
)
き
返
(
か
)
えしました。あとで
來
(
き
)
て、
獨
(
ひと
)
りでそれを
食
(
た
)
べやうとおもつて。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
三膳出しましたと
云
(
いっ
)
て、
却
(
かえ
)
ってこの男を
怪
(
あやし
)
んだ、
爰
(
ここ
)
に
於
(
おい
)
てこの男は主人の妻子が
付纏
(
つきまと
)
って、こんな不思議を見せるのだと思い、
迚
(
とて
)
も
逭
(
のが
)
れぬと観念した、
自訴
(
じそ
)
せんと
取
(
とっ
)
て
返
(
か
)
えす途上
捕縛
(
ほばく
)
されて
枯尾花
(新字新仮名)
/
関根黙庵
(著)
「そんな沙汰でここへ来たのではないわ。わが子を
返
(
か
)
やせ!」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『そして
誇
(
ほこ
)
りますか。そして
其出身
(
そのしゆつしん
)
たることを
感謝
(
かんしや
)
しますか』と
問
(
と
)
ひ
返
(
か
)
へした
兒玉
(
こだま
)
の
口調
(
くてう
)
はやゝ
激
(
げき
)
して
居
(
ゐ
)
た。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
見ると年頃は十七八、雪江さんと
追
(
お
)
っつ、
返
(
か
)
っつの書生である。大きな頭を
地
(
じ
)
の
隙
(
す
)
いて見えるほど刈り込んで
団子
(
だんご
)
っ
鼻
(
ぱな
)
を顔の真中にかためて、座敷の隅の方に
控
(
ひか
)
えている。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
つれなく
返
(
か
)
へされなば
甲斐
(
かひ
)
もなきこと、
兎角
(
とかく
)
に
甚之助殿
(
じんのすけどの
)
の
便
(
たよ
)
り
聞
(
き
)
きたしと
待
(
まち
)
けるが、
其日
(
そのひ
)
の
夕方
(
ゆふがた
)
彼
(
か
)
の
人形
(
にんぎやう
)
を
持
(
も
)
ちて
例日
(
いつ
)
よりも
嬉
(
うれ
)
しげに、お
前
(
まへ
)
の
歌
(
うた
)
ゆゑ
首尾
(
しゆび
)
よく
我
(
わ
)
が
勝
(
かち
)
に
成
(
な
)
り
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
この金を
彼方
(
あっち
)
に向けて、
彼
(
あ
)
の金は
此方
(
こっち
)
に
返
(
か
)
えすと云う話であるが、人に貸す金があれば借りなくても
宜
(
よ
)
さそうなものだ、商売人は人の金を借りて商売すると云うことは私も
能
(
よ
)
く知て居るが
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
やがて
呼吸
(
いき
)
をふき
返
(
か
)
へしたその
蚤
(
のみ
)
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
「
悪戯
(
わるさ
)
な風め。笠
返
(
か
)
やせ」
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しくて
屏風
(
べうぶ
)
の
外
(
ほか
)
に二
足
(
あし
)
ばかり
糸
(
いと
)
より
細
(
ほそ
)
き
声
(
こゑ
)
に
良
(
りやう
)
さんと
呼
(
よ
)
び
止
(
と
)
められて
何
(
なに
)
ぞと
振
(
ふ
)
り
返
(
か
)
へれば。
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
且
(
かつ
)
つその
握
(
にぎっ
)
た珠を竜宮へ
返
(
か
)
えそうなんと云う念は
毛頭
(
もうとう
)
ない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
「馬を
返
(
か
)
やせ」
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
中村
(
なかむら
)
さんと
唐突
(
だしぬけ
)
に
背中
(
せなか
)
たゝかれてオヤと
振
(
ふ
)
り
返
(
か
)
へれば
束髪
(
そくはつ
)
の一
群
(
むれ
)
何
(
なに
)
と
見
(
み
)
てかおむつましいことゝ
無遠慮
(
ぶゑんりよ
)
の一
言
(
ごん
)
たれが
花
(
はな
)
の
唇
(
くちびる
)
をもれし
詞
(
ことば
)
か
跡
(
あと
)
は
同音
(
どうおん
)
の
笑
(
わら
)
ひ
声
(
ごゑ
)
夜風
(
よかぜ
)
に
残
(
のこ
)
して
走
(
はし
)
り
行
(
ゆ
)
くを
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
返
常用漢字
小3
部首:⾡
7画
“返”を含む語句
引返
銀杏返
返答
返報
振返
往返
返辞
鸚鵡返
取返
忍返
突返
返事
見返
反返
寝返
意趣返
裏返
恩返
返咲
返却
...