もど)” の例文
『黙れ、老耄おいぼれ、拾ったやつが一人いて、もどした奴が別に一人いたのよ。それで世間の者はみんなばかなのさ。』
糸くず (新字新仮名) / ギ・ド・モーパッサン(著)
拍子抜してもどれる貫一は、心私こころひそかにその臆測のいりほがなりしを媿ぢざるにもあらざれど、又これが為に、ただちに彼の濡衣ぬれぎぬ剥去はぎさるまでに釈然たる能はずして、好し
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
そして其所そこらを夢中で往きつもどりつ地を見つめたまま歩るいて『決してそんなことはない』『断じてない』と、魔をしっするかのように言ってみたが、魔は決して去らない
牛肉と馬鈴薯 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
初年兵はオドオドして銃床にもど
動員令 (新字新仮名) / 波立一(著)