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けえ
ふりがな文庫
“
返
(
けえ
)” の例文
「馬鹿野郎、人の店賃の世話より、
手前
(
てめえ
)
の小借りでも返す工夫をしやがれ。二三百両ありゃ、角の酒屋の借りぐらいは
返
(
けえ
)
せるだろう」
銭形平次捕物控:089 百四十四夜
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
甚「カラ
何
(
ど
)
うも云う事は子供でげすねえ、幾らア五拾両、けれども、エヽと、二拾両ばかり
私
(
わっち
)
が目の出た時
返
(
けえ
)
して、三拾両あります」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その
中
(
うち
)
に屋根の
反
(
そ
)
ックリ
返
(
けえ
)
った、
破風造
(
はふづくり
)
のお化けみてえな台湾館が赤や青で塗り上って、
聖路易
(
セントルイス
)
の博覧会がオッ
初
(
ぱじ
)
まる事になりますと
人間腸詰
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「悪いことと言ったって、お前、品の好い切下げ髪の奥様を捉まえてね、あの若いくせに
狼藉
(
ろうぜき
)
をしようというんだから
呆
(
あき
)
れ
返
(
けえ
)
っちゃった」
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
で、ぶちまけて言うが、お前は、死んだ人間ってものは死んでそれっきりのものと思うか、それとも、また生き
返
(
けえ
)
って来るものと思うかね?
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
▼ もっと見る
「お痛わしいお痛わしいと言いながら、手前の方が先に泣き出すなんて……阿呆めが!
呆
(
あき
)
れ
返
(
けえ
)
ってものが言えねえ……」
逗子物語
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
稼ぐようなもんだ。——そして、きっとその間に、脇坂佐内の土蔵の中へ、千両だけは
返
(
けえ
)
してやるぜ。
父
(
とっ
)
さんへの
手向
(
たむ
)
けだ。——じゃあ、あばよ
治郎吉格子
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
俺
(
お
)
らそれ
程
(
ほど
)
でねえと
思
(
おも
)
つて
居
(
ゐ
)
たが
三四日
(
さんよつか
)
横
(
よこ
)
に
成
(
な
)
つた
切
(
きり
)
でなあ、それでも
今日等
(
けふら
)
はちつたあえゝやうだから
此
(
この
)
分
(
ぶん
)
ぢや
直
(
すぐ
)
に
吹
(
ふ
)
つ
返
(
けえ
)
すかとも
思
(
おも
)
つてんのよ
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
おえねえ
頓痴奇
(
とんちき
)
だ、
坊主
(
ぼうず
)
ッ
返
(
けえ
)
りの
田舎漢
(
いなかもの
)
の癖に
相場
(
そうば
)
も
天賽
(
てんさい
)
も気が
強
(
つえ
)
え、あれでもやっぱり取られるつもりじゃあねえ
中
(
うち
)
が
可笑
(
おかし
)
い。ハハハ、いい
業
(
ごう
)
ざらしだ。
貧乏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
權三 (かんがへる。)いくら大岡樣がえらいと云つても、まさか死んだ者を生かして
返
(
けえ
)
しやあしめえ。
権三と助十
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
何んだと? てめえはそれじゃ、おれの恩を
仇
(
あだ
)
で
返
(
けえ
)
す気だな。よし、そんなら言って聞かせる事があらあ。一体、お由の屍骸を一番初めに見附けて来たなあ何処の
何奴
(
どいつ
)
だ。
白蛇の死
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「するてえと、知らずにひっくり
返
(
けえ
)
っていたのが、
結局
(
けっく
)
こっちの拾い物かもしれねえな」
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
其奴
(
そいつ
)
ア判ら無えがナ、今度ア今迄来た様な道庁の
木
(
こ
)
ッ
葉
(
ぱ
)
役人たア違うから、何とか目鼻はつけて呉れるだろう、何時も何時も胡麻化されちゃア
返
(
けえ
)
るんだが、今度ア
左様
(
そう
)
は
往
(
い
)
くめエ
監獄部屋
(新字新仮名)
/
羽志主水
(著)
「その口ぶりじゃ、
嚊
(
かかあ
)
の方はもう辛抱して還る気はねえんだね。そのはずさ、七八年も世間師をしていちゃ、
旅人根性
(
たびにんこんじょう
)
は生涯抜けやしねえ、今さらとても土百姓に
返
(
けえ
)
られるものか。」
世間師
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
「おれらが保証人になって、今年は五十円だけ、そして来年も五十円だけ、そして再来年には全部
返
(
けえ
)
させるし、利子も相当につけさせるからって言ったんですが、おれらを信用しねえでがすよ」
恐怖城
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
「まったくだ。
酷
(
ひど
)
い目に遭わせやがったな。おれ達を元へ
返
(
けえ
)
してくれ」
ラ・ベル・フィユ号の奇妙な航海
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
大黒柱
(
でえこくばしら
)
もっ
返
(
けえ
)
して、
土台石
(
どでえいし
)
から草あ生やしてくれっから!
禰宜様宮田
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
亥「それも仕方がねえが山のように線香だの
何
(
なん
)
だの、質にも置けねえ物を貰って、それも
宜
(
い
)
いが
返
(
けえ
)
しに菓子と茶を附けなければならねえ」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
渡場
(
わたし
)
をかち渡りするは
御法度
(
ごはっと
)
なんでア、何たるワザワグこったべえ、只じゃ済まねえべ、お関所破りと同罪なんでア、早うでんぐり
返
(
けえ
)
りな
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
そこいらがだんだん薄暗くなって気が遠くなって行くようなアンバイで……そのまんま引っくり
返
(
けえ
)
っちゃったらしいんです。
人間腸詰
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「なに、心配はねえ。仕事のはけ口を見つけに行くのよ。
帰
(
けえ
)
って来たら、借金も
返
(
けえ
)
すし、おっ母にも安心させるぜ」
野槌の百
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「横っ面へ叩きつけたのは嘘だが、
返
(
けえ
)
したのは本当さ。それから仏様を見ると、首に絞め殺した跡が付いている」
銭形平次捕物控:073 黒い巾着
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
俺あこの淋しい島でそんなことをすっかり考えて来たんで、今じゃまた信心深え男に
返
(
けえ
)
ってるんだ。もうラムなんか決してあんなにたくさん飲みやしねえ。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
「そんぢやお
内儀
(
かみ
)
さんそれ
返
(
けえ
)
して
又
(
また
)
其
(
そ
)
の
外
(
ほか
)
にも
何
(
なん
)
とかしたら
冥利
(
みやうり
)
の
惡
(
わ
)
りいやうなことも
有
(
あ
)
りあんすめえな」
彼
(
かれ
)
は
情
(
なさけ
)
なげな
目
(
め
)
で
内儀
(
かみ
)
さんをちらりと
見
(
み
)
ていつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「わしが出すんじゃなえ、わしはただ阿母さまから預かってるものを、
返
(
けえ
)
すだけなんじゃ」
仁王門
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
「だが、待った! 品物は与吉のものに相違あるめえが、
返
(
けえ
)
すにゃおよばねえぞ小僧」
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「まあお前が……まあ
返
(
けえ
)
して来たっちゅうけえ!」
禰宜様宮田
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
「テヘッ。呆れて物が云えねえ。咽喉のビクビクが可哀相なら、引っくり
返
(
けえ
)
った
鮟鱇
(
あんこう
)
なんか見ちゃいられねえや。勝手にしやがれだ。ケッ……」
芝居狂冒険
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
此間
(
こないだ
)
は
私
(
わし
)
お
宅
(
たく
)
へ出やした時、あなたが
可愛相
(
かわいそう
)
だと云って金をお恵み下され、
早速
(
さっそく
)
お返し申そうと思いましたが、いまだにお
返
(
けえ
)
し申す時節がまいりません
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「エエ、この
女
(
あま
)
め! よい程に、あしらっておけばつけ上がって、ふざけた
真似
(
まね
)
をしやがると、
俵括
(
たわらぐく
)
りにして船底へほうりこんでも、阿波へ突ッ
返
(
けえ
)
すからそう思え」
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そんでも
先刻
(
さつき
)
はがや/\一
杯
(
ぺえ
)
居
(
え
)
るやうだつけがあつちぢや
甘
(
うめ
)
え
物
(
もの
)
あつて
爺等
(
ぢいら
)
とつ
返
(
けえ
)
しとつたんべなあ
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
言って笑ってられやすが、ま、
私
(
あっし
)
の申し上げることが、根もねえ嘘かほんとうか、とっくりと一つ調べて御覧なせえやし。旦那あ、眼廻して引っ繰り
返
(
けえ
)
ってしまえなさるだから
陰獣トリステサ
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
素直にでんぐり
返
(
けえ
)
って舟へ乗って渡って来てかんせ! 無茶あしねえものだべなア
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
その仇を討った妹を縛れって言うなら俺は十手をお上へ
返
(
けえ
)
すよ
銭形平次捕物控:021 雪の精
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
何でも
手前
(
てめえ
)
の懐にたんまりあるだろうから出せ、金を
強奪
(
ふんだく
)
り
裸体
(
はだか
)
にするのだ、殺しゃアしねえが身体に
疵
(
きず
)
を附けて三年あとの意趣を
返
(
けえ
)
すのだ、さ金を出せ
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「いわなくッても、
叩
(
たた
)
っ
返
(
けえ
)
してやろうと思っていたところだ。——それっ、持ってゆけ」
雲霧閻魔帳
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ああ旦那は何にもお知りなさらねい。旦那こりゃ容易ならねえ話でやすぜ。旦那あ引っ繰り
返
(
けえ
)
りなさるだから」とホセはうまく言い現せないで、
身悶
(
みもだ
)
えせんばかりの様子であった。
陰獣トリステサ
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
アトから聞いてみると揃いも揃ったステテコが二人つながって引っくり
返
(
けえ
)
った。
人間腸詰
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「
呆
(
あき
)
れ
返
(
けえ
)
るぜ」
銭形平次捕物控:100 ガラッ八祝言
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
長「金が
欲
(
ほし
)
いくれえなら、此の金を持って
来
(
き
)
やアしねえ、
汝
(
うぬ
)
のような義理も人情も知らねえ畜生の持った、
穢
(
けがら
)
わしい金は
要
(
い
)
らねえ、
返
(
けえ
)
すから受取っておけ」
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その時は生首か骨ぐらいは
遺物
(
かたみ
)
がわりに
返
(
けえ
)
してもくれよう
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「向うの店で又引っくり
返
(
けえ
)
りゃしねえか」
超人鬚野博士
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「そねえな必要もなえじゃろう、後で兄弟に金の負担でもかける気なら、取って置くかも知んなえが、そうでなけりゃ、死んだ後で、帳面ばかし眺めてたって、なんになる? 亡なった仏さまア、生きて
返
(
けえ
)
るわけでもあるめえしさ……」
仁王門
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
開化になっても士族さんは士族さん、
殊
(
こと
)
にこれだけの身代で、預ったものを預からないと云っては御名義にも係わりますから、旦那、
返
(
けえ
)
して
遣
(
や
)
って下せえな
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
狸が浮れて腹太鼓を
敲
(
たゝ
)
きやアがって夜が明けて戸を明けて見ると、三匹
位
(
ぐれ
)
え腹ア敲き破ってひっくり
返
(
けえ
)
って居る
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
春見様は
直
(
じ
)
き此の向うにいて立派な御身代になっておいでなさるから、お
父
(
とっ
)
さんがお預け申した金を
返
(
けえ
)
してお貰い申すがいゝじゃないかと云っても、若いお方ですから
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
音「能く掃除仕やすねえ、墓の間の草ア取って、
跨
(
まて
)
えで向うへ出ようとする時にゃアよく
向脛
(
むこうずね
)
を
打
(
ぶ
)
ッつけ、
飛
(
とび
)
っ
返
(
けえ
)
るように
痛
(
いて
)
えもんだが、
若
(
わけ
)
えに能く掃除しなさるのう」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
お前は此処から飛び込んで本当に死ぬんだから、此れを遣っちまうんだ、其の代り己は仕事を
為
(
し
)
て、段々借金を
返
(
けえ
)
して往った
処
(
とこ
)
が、三年かゝるか、五年掛るか知れねえが
文七元結
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
悉皆
(
すっか
)
り借金を
返
(
けえ
)
し切って又三年でも五年でも稼がなけりゃア、百両の金を持って、娘の身請を
為
(
し
)
に往く事が出来ねえ、あゝ
何
(
な
)
んでも
斯
(
か
)
んでも娘を
女郎
(
じょうろ
)
にするのだ、仕方がねえ
文七元結
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
あんたさまは何とハア御運の
悪
(
わり
)
いお方だかえ、
併
(
しか
)
し今に勇助どんが
帰
(
けえ
)
って来たら
飛
(
とび
)
ッ
返
(
けえ
)
るように悦びましょう、
私
(
わし
)
も附いて居やすから
御心配
(
ごしんぱえ
)
なさらねえでいらっしゃいましよ
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
返
常用漢字
小3
部首:⾡
7画
“返”を含む語句
引返
銀杏返
返答
返報
振返
往返
返辞
鸚鵡返
取返
忍返
突返
返事
見返
反返
寝返
意趣返
裏返
恩返
返咲
返却
...