うた)” の例文
むかし「影参差しんし松三本の月夜かな」とうたったのは、あるいはこの松の事ではなかったろうかと考えつつ、私はまた家に帰った。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
仮字書之口伝かじしょのくでん第三章「残心」をうたった極意の和歌、——意味は読んで字の如く、じっと一身を守り詰め、敵に自ずと破れの出た時、討って取れという意味であった。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
しかしそれらの雑草は和歌にもうたわれず、宗達そうだつ光琳こうりんの絵にも描かれなかった。独り江戸平民の文学なる俳諧と狂歌あって始めて雑草が文学の上に取扱われるようになった。
さて、英国の考古学者、ドイルス博士の冒険に依って、世に現われた耳飾の、不思議を尽した物語も「此世の事はすべて正し」と、詩人ブラウニングがうたったように、全く意外の方面から
木乃伊の耳飾 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
なぜ画よりも詩の方が作りやすかったかと思う。ここまで出たら、あとは大した苦もなく出そうだ。しかし画に出来ないじょうを、次にはうたって見たい。あれか、これかと思いわずらった末とうとう
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)