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謠
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うた
ふりがな文庫
“
謠
(
うた
)” の例文
新字:
謡
通
(
とほ
)
り
懸
(
かゝ
)
りしに
深編笠
(
ふかあみがさ
)
を
被
(
かぶ
)
りて
黒絽
(
くろろ
)
の
羽織
(
はおり
)
のぼろ/\したるを
着
(
き
)
如何にも
見寥
(
みすぼら
)
しき
容體
(
なり
)
をして
謠
(
うた
)
ひを
唄
(
うた
)
ひながら
御憐愍々々
(
ごれんみん/\
)
と云つゝ往來に
立
(
たつ
)
て袖乞を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「拙者は長谷倉甚六郎、西國の浪人者だ。十年越しこの町内に住み、
謠
(
うた
)
ひや碁の手ほどきから、棒振り劍術、物の本の素讀などを少しばかり教へて居る」
銭形平次捕物控:065 結納の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
倘
(
もし
)
も此様な場合に、
誰
(
たれ
)
かジヨンマーチでも
謠
(
うた
)
つて呉れる者があつたら、彼は獨で
舞踏
(
ダンス
)
をおツ始めたかも知れぬ。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
伯母
(
をば
)
さんあの
太夫
(
たゆう
)
さん
呼
(
よ
)
んで
來
(
き
)
ませうとて、はたはた
驅
(
か
)
けよつて
袂
(
たもと
)
にすがり、
投
(
な
)
げ
入
(
い
)
れし一
品
(
しな
)
を
誰
(
た
)
れにも
笑
(
わら
)
つて
告
(
つ
)
げざりしが
好
(
この
)
みの
明烏
(
あけがらす
)
さらりと
謠
(
うた
)
はせて
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
赤い苺がびつしり
實
(
な
)
つて居る。苺は大分たべた。夫に到る處山桃がある。時々腕白も木になつてる事がある。何處であつたか熊野あたりの神社の
謠
(
うた
)
であつたが
壱岐国勝本にて
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
お
前
(
まへ
)
さん、お
正月
(
しやうぐわつ
)
から
唄
(
うた
)
に
謠
(
うた
)
つて
居
(
ゐ
)
るんぢやありませんか。——
一層
(
いつそ
)
一思
(
ひとおも
)
ひに
大阪
(
おほさか
)
へ
行
(
い
)
つて、
矢太
(
やた
)
さんや、
源太
(
げんた
)
さんに
逢
(
あ
)
つて、
我儘
(
わがまゝ
)
を
言
(
い
)
つていらつしやいな。
大阪まで
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
たゞ
多
(
おほ
)
く
子
(
こ
)
どもたちが、さういふ
歌
(
うた
)
を、
無心
(
むしん
)
で
謠
(
うた
)
ひ
擴
(
ひろ
)
げて
行
(
ゆ
)
くところから、あて
字
(
じ
)
をしたのでありませう。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
飮むべしと云ふこれに
勵
(
はげま
)
されて何樓とかへ
上
(
のぼ
)
り
歌妓
(
うたひめ
)
ありと聞て木曾の唄をたしかに聞ざるも殘念なればと
夫
(
それ
)
を呼びて
謠
(
うた
)
はすに名古屋の者なれば正眞の木曾調子にはゆかずと謙遜して
偖
(
さて
)
唄ふ其唄
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
そのあとに、まだ耳鳴りのやうに殘つて居る
謠
(
うた
)
の聲や人のさけびは、正に古酒「LEGENDE」の香ひにも、較ぶれは較ぶべきものであらう。(明治四十三年十二月二十九日伊豆伊東に於て)
海郷風物記
(旧字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
だが、
謠
(
うた
)
がない。かの女たちは、歌を忘れたカナリヤのやうである。
折々の記
(旧字旧仮名)
/
吉川英治
(著)
無意
(
むい
)
無心
(
むしん
)
なる
幼童
(
えうどう
)
は
天使
(
てんし
)
なりとかや。げにもさきに
童謠
(
どうえう
)
ありてより(
應
(
おう
)
)の
來
(
きた
)
るに
一月
(
ひとつき
)
を
措
(
お
)
かざりし。
然
(
しか
)
るに
今
(
いま
)
は
此歌
(
このうた
)
稀々
(
まれ/\
)
になりて、
更
(
さら
)
にまた
奇異
(
きい
)
なる
謠
(
うた
)
は
蛇くひ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
御守殿お茂與といふのは一時深川の岡場所で鳴らした
強
(
したゝ
)
か者で、大名の留守居や、
淺黄裏
(
あさぎうら
)
の工面の良いのを惱ませ一枚
摺
(
ずり
)
にまで
謠
(
うた
)
はれた名代の女だつたのです。
銭形平次捕物控:114 遺書の罪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
現
(
げん
)
に、この
歌
(
うた
)
と
同樣
(
どうよう
)
に、おほくめの
命
(
みこと
)
と
神武天皇
(
じんむてんのう
)
とのかけあひに
謠
(
うた
)
はれたといふ
歌
(
うた
)
が、それであります。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
催
(
もよふ
)
せしが
呑
(
のめ
)
や
謠
(
うた
)
へと調子づき追々
亂酒
(
らんしゆ
)
になり夜に入ると雖も猶更に
各自
(
おの/\
)
謠ひ
淨瑠璃
(
じやうるり
)
にだみ聲を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
是
(
こ
)
ればかりはと
子細
(
しさい
)
もなく、
千扁一律
(
せんべんいちりつ
)
いやいやを
徹
(
とほ
)
して、はては
世上
(
せじやう
)
に
忌
(
いま
)
はしき
名
(
な
)
を
謠
(
うた
)
はれながら、
狹
(
せま
)
き
乙名
(
をとめ
)
の
氣
(
き
)
にもかけず、
更
(
ふ
)
けゆく
歳
(
とし
)
を
惜
(
を
)
しみもせず、
靜
(
しづ
)
かに
月花
(
つきはな
)
をたのしんで
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
さうすると、おほくめの
命
(
みこと
)
の
歌
(
うた
)
も、
片歌
(
かたうた
)
の
音數
(
おんすう
)
を
増
(
ま
)
して、
早
(
はや
)
く
謠
(
うた
)
はれたものとおもふ
外
(
ほか
)
はありません。
最初
(
さいしよ
)
の
一句
(
いつく
)
は、『やまとのたかさじ
野
(
ぬ
)
』の
十音
(
じゆうおん
)
から
出來
(
でき
)
てゐます。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
船頭
(
せんどう
)
、
馬方
(
うまかた
)
、
木樵
(
きこり
)
、
機業場
(
はたおりば
)
の
女工
(
ぢよこう
)
など、あるが
中
(
なか
)
に、
此
(
こ
)
の
木挽
(
こびき
)
は
唄
(
うた
)
を
謠
(
うた
)
はなかつた。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
通り懸りけるに山下の
溷際
(
どぶぎは
)
に
深網笠
(
ふかあみがさ
)
の浪人者ぼろ/\したる
身形
(
みなり
)
にて上には丸に三ツ引の
定紋
(
ぢやうもん
)
付
(
つき
)
たる
黒絽
(
くろろ
)
の
螢
(
ほたる
)
も
洩
(
もる
)
ばかりの古き羽織を着し
謠
(
うた
)
ひを
唄
(
うた
)
ひながら
御憐愍
(
ごれんみん
)
をと云て往來の者に手の内を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
橋の
袂
(
たもと
)
で下手な
謠
(
うた
)
ひを唸つて居るのを、拾つてくれたのも綱田氏だ。
銭形平次捕物控:220 猿蟹合戦
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
と
唄
(
うた
)
ふ……あはれさ、
心細
(
こゝろぼそ
)
さの、
謠
(
うた
)
の
心
(
こゝろ
)
を
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
す。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
白齒の美しさを山の手一圓に
謠
(
うた
)
はれて居ります。
銭形平次捕物控:025 兵粮丸秘聞
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
謠
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民謠集
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