古歌うた)” の例文
村の家々から立ち昇る煙が、おしめども春のかぎりの今日の日の夕暮にさえなりにけるかな——と云いたげな古歌うた風情ふぜい陽炎かげろうと見境いもつかず棚引き渡っていた。夕暮までには未だ余程の間がある。
ゼーロン (新字新仮名) / 牧野信一(著)