俗謡うた)” の例文
旧字:俗謠
町の俗謡うたを君だって聞いてるだろう。病関索びょうかんさくの楊雄は、もう薊州けいしゅうでは男がすたッた。君ももうそんな義理立ては捨ててくれ。……やい、巧雲
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
人影が見えたと思うと「宮地ゃよいところじゃ阿蘇山ふもと」という俗謡うたを長く引いてちょうど僕らが立っている橋の少し手前まで流して来たその俗謡うたこころと悲壮な声とがどんなに僕のこころ
忘れえぬ人々 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
私達は「手鍋提げても」という俗謡うたにあるような生活をのあたり見た。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)