うた)” の例文
「昨日の約束を忘れたのか。くだした船を東風こちに乗せて国へのぼらせようという目出度い祝儀に、盃が下ったまま上らないのは縁起が悪い。房次郎よ、うたうのはやめて、早く盃をのぼらせないのか」
重吉漂流紀聞 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)