歌謡うた)” の例文
旧字:歌謠
「なあにおめえ、遠い昔にゃあ、お経文をそのまま、歌謡うたにうたったものだあな。——和讃わさんだってその一つだろうじゃねえか」
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
歌謡うたは要らない。節ばかりでもよい。直様すぐさまさう思つて、自分は先づ la, la, laラーラーラー……と声を出して見たが、其れさへも、どう云ふ節で歌つてよいのか又迷つた。
黄昏の地中海 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
しかし室町頃の、世をはかなみ世を無常とのみ観じていた、隠遁僧いんとんそうのうけ取っていた解釈と、信長の気もちとには、同じ歌謡うたでも、たいへんな隔たりがある。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)