うた)” の例文
石にてうたれ、鋸にてひかれ、火にてやかれ、刃にて殺され、棉羊と山羊の皮を衣て経あるき、窮乏ともしくして難苦なやみくるしめり、世は彼等を置くに堪えず
猟人かりうどは、その無邪気むじやき鸚鵡あうむ可憐かあいそうにおもつてうたないでつれてかへつて可愛かあいがつてかつてやりました。
が、お杉のいかれる顔は宛然さながらの鬼女であった。加之しかも高い所から再三転げ落ちて、つるぎの如き岩石にうたつんざかれたので、古い鳥籠をこわしたように、身体中の骨は滅裂ばらばらになっていた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
れ関ヶ原の降参武士のみ、常々たる三河みかわ譜代の八万騎、何の面目あれば彼の降参武士に膝を届すべきやなんて、大造たいそうな剣幕で、薩長の賊軍を東海道にむかうたんとする者もあれば
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
されど我前を過ぐるとき、いかにかしけむ銃もてうたれたる如く打ち倒れぬ。
彼は暴戻ぼうれいひじうたれる度に、何故かイベットの睫の煙る眼ざしを想出す。
ドーヴィル物語 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)