“厭(うと)” の例文
たとえば、若い年ごろの娘さんさえみれば結婚話にひきかけてゆく大人の通俗的なうるささに対して、今日の若い娘さんが厭(うと)ましがる心持は十分にうなずける。
若い婦人の著書二つ (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「まずは三千の衆徒、臨幸(りんこう)を厭(うと)んじたてまつるなどの者は、一人もあるまじきにて候う。一山同心、ふた心はあらじと、ご叡慮を安んぜられて、しかるびょう存じあげまする」
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「——ご辺(へん)のお名まえは、夙(つと)に都の東京(とうけい)でも名高い。さるを何で、高俅(こうきゅう)(宋朝の権力者)に厭(うと)まれ、滄州(そうしゅう)の流刑地などへ追いやられた末、かかる所にまで身を落されておいでたのか」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「はて、さまで直義(ただよし)をお厭(うと)みとは、何が原因でございましょうか」
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)