うと)” の例文
書物しょもつの学問だけでは実際にうとくなると思うから、僕がるような顔をして実は子供に運転と使用とをらさせるために買った云々うんぬん
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
周は若い後妻の愛におぼれて、成のいうことを人情にうといつまらないことだといって一笑に付した。成はそれ以上何も言わなかったが、そのこころはきちんときまっていた。
成仙 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
自分は生れからも、環境からも、世間の事情にうとく、人に対する思いやりの足りない心配がある。どうしても人情に通じて、そういう深い思いやりのある人に助けてもらわなければならぬ。
この頃の皇太子殿下 (新字新仮名) / 小泉信三(著)
その影響は又、小父さんなぞの汗を流して奮闘している世界に対して妙に自分を力のないものとしたばかりでなく、世間にうといということが恥辱はじではなくてかえって手柄かなんぞのようにさえ思わせた。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
身動みじろきうと旅人たびうどの雲のはたてに消ゆる時。
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
身動みじろぎうと旅人たびうどの雲のはたてに消ゆる時。
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)