“厭(いとは)” の例文
麁略(そりやく)にせず力の入事(いること)などはさせざりけり然ともお花は身を粉(こ)にしてなり恩を報(はう)ぜんものと思へば如何なる賤(いやし)き業(わざ)をも少しも厭(いとは)ず客が來れば夜具の上下(あげさげ)風呂(ふろ)に浴(い)れば脊中(せなか)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さて十月の頃にいたり雪降(ふ)る日には鮏も多く獲易(えやす)きものゆゑ、一日(あるひ)降(ふ)る雪をも厭(いとは)ず蓑笠(みのかさ)に身(み)をかため、朝より架(たな)にありてさけをとり、畚(ふご)にとりためたる時は畚(ふご)にも縄(なは)をつけおけば
厭(いとは)しげに宮の余所見(よそみ)せるに、乗地(のりぢ)の唯継は愈(いよい)よ声を作りて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
差出(さしいだ)せばお三婆は圍爐裡(ゐろり)の端(はた)に火を焚(たき)居(ゐ)たりしが是を聞(きい)て大きに悦び能(よく)も/\此大雪を厭(いとは)ず深切(しんせつ)にも持來り給へりと麁朶(そだ)折(をり)くべて寶澤をも爐端(ろばた)へ坐らせ元より好(すき)の酒なれば直(すぐ)に燗(かん)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
裸(はだか)なる所以(ゆゑん)は人気(じんき)にて堂内の熱(ねつ)すること燃(もゆる)がごとくなるゆゑ也。願望(ぐわんまう)によりては一里二里の所より正月三日の雪中寒気肌(はだへ)を射(いる)がごときをも厭(いとは)ず、柱(はしら)のごとき氷柱(つらゝ)を裸身(はだかみ)に脊負(せおひ)て堂押にきたるもあり。
進(すゝ)み頭(かしら)を下(さげ)て申上らるゝ樣(やう)御恐(おそ)れながら天下の御大事に付夜中をも省(かへり)みず推參(すゐさん)候段恐入(おそれいり)奉り候御病中も厭(いとは)せ給はず御目通(めどほり)仰付(おほせつけ)られ候段有難き仕合に存じ奉ると申上らる此時綱條卿には御褥(おんしとね)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
裸(はだか)なる所以(ゆゑん)は人気(じんき)にて堂内の熱(ねつ)すること燃(もゆる)がごとくなるゆゑ也。願望(ぐわんまう)によりては一里二里の所より正月三日の雪中寒気肌(はだへ)を射(いる)がごときをも厭(いとは)ず、柱(はしら)のごとき氷柱(つらゝ)を裸身(はだかみ)に脊負(せおひ)て堂押にきたるもあり。