いとわ)” の例文
恨めしく取つめていはんにはいとわしきものよりほかあらんともおぼえず、あはれその厭ふ恋こそ恋の奥なりけれ……
樋口一葉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
どういうわけか人の道を忘れた放蕩惰弱ほうとうだじゃくなもののいとわしい身の末が入相いりあいの鐘に散る花かとばかり美しく思われて、われとても何時いつか一度は無常の風にさそわれるものならば
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「大海は細流をいとわぬよ」
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)