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厭
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いとひ
○そも/\
我里の元日は野も山も
田圃も
里も
平一面の雪に
埋り、春を知るべき
庭前の梅柳の
類も、去年雪の
降ざる秋の末に雪を
厭て丸太など立て
縄縛に
遇たるまゝ雪の中にありて元日の春をしらず。
お
持成らうと云
思召し成んと云ければ重四郎は
否々その樣にお
嬲り成るゝな我等如き
浪人者誰が
聟に取ませう
何樣な所でも先で
入てさへ
呉れば夫に
厭は御座らぬと云にお勇
然樣成ば女は
何でも
宜と仰しやいますか夫成ば只今一
軒御座ります其家は
間口十三間
奧行二十五間田地は十石三
斗の
御年貢を
○そも/\
我里の元日は野も山も
田圃も
里も
平一面の雪に
埋り、春を知るべき
庭前の梅柳の
類も、去年雪の
降ざる秋の末に雪を
厭て丸太など立て
縄縛に
遇たるまゝ雪の中にありて元日の春をしらず。