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帰
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けえ
ふりがな文庫
“
帰
(
けえ
)” の例文
旧字:
歸
何? 親分はもう
帰
(
けえ
)
んなすった、——それは惜しい事をした、大変な証拠が手に入ったんだ。泥棒仲間で
諜
(
しめ
)
し合せた手紙を、千両箱を
銭形平次捕物控:031 濡れた千両箱
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
時々
私
(
わっち
)
が
合口
(
あいくち
)
だもんだから、長次
往
(
い
)
こうと仰しゃってお供で来るけれども、何うかすると
日暮
(
ひく
)
れ方から来て
戌刻前
(
よつめえ
)
に
帰
(
けえ
)
る事もあるし
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「金持って
帰
(
けえ
)
んべと思っていだども、あんまり安かったで、買って来たはあ。お
父
(
ど
)
う! この馬は、こんで、何円ぐらいに
見
(
め
)
えるべ?」
馬
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
『早く
帰
(
けえ
)
つて寝る
事
(
こつ
)
た。
恁麽
(
こんだ
)
時何処ウ
徘徊
(
うろつ
)
くだべえ。天理様拝んで赤痢神が
取付
(
とツつ
)
かねえだら、ハア、何で
医者
(
いしや
)
薬
(
くすり
)
が要るものかよ。』
赤痢
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
... かける所存、いがみと見た故、油断して、一ぺえくつて
帰
(
けえ
)
りしは」といひ「禍も三年と、悪い性根の
年
(
ねん
)
の明き時」をちよぼに預け
いがみの権太:(明治二十九年一月、明治座)
(新字旧仮名)
/
三木竹二
(著)
▼ もっと見る
「オ、
爺
(
とっ
)
ツアん、いつもの
口
(
くち
)
を、五
合
(
ごう
)
ばかりもらおうじゃあねえか。
飲
(
の
)
む
口
(
くち
)
に待っていられてみると、どうも手ぶらじゃア
帰
(
けえ
)
れねえや」
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「おっ母、ちょっとここで、待っていてくんねえか。ひとりで、変な方角へ、歩き出しちゃいけねえぜ。すぐに
帰
(
けえ
)
って来るから」
野槌の百
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
何なら御勘弁願いたいもんで……ただもうビックリして
面喰
(
めんくら
)
って、
生命
(
いのち
)
からがら逃げて
帰
(
けえ
)
って来たダケのお話でゲスから……。
人間腸詰
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「そうだ、おせんちゃん。
帰
(
けえ
)
る
時
(
とき
)
にゃ、みんなで
送
(
おく
)
ってッてやろうから、きょう
一
(
いち
)
ン
日
(
ち
)
の
見世
(
みせ
)
の
話
(
はなし
)
でも、
聞
(
き
)
かしてくんねえよ」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
断りなしに
帰
(
けえ
)
るとは変な人だと、ちっとばかり腹さ立ったゞよ。だけどよ、不用心だと思って、締りさちゃんとして引上げたゞ。所が八さア。
青服の男
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
「なに、ぢき止むだ。それより、お前はな、
帰
(
けえ
)
つたら喬にさう云つとけ——お客さんはおれが今夜は預るつて……いゝか?」
泉
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
「うん。母ちゃんが、姉ちゃんに負けん気だして、
辛
(
こわ
)
えの無理しんなって、よ。
帰
(
けえ
)
りたかったらいつでもけえって来って」
三月の第四日曜
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
それから気を着けると、いつかも江戸町のお
喜乃
(
きの
)
さんが、やっぱり例の紛失で、ブツブツいって
帰
(
けえ
)
ったッけ、
翌日
(
あくるひ
)
の晩方、わざわざやって来て
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「しようのねえ奴だな。親分を知らねえのか。親分も兄弟分も知らねえで、坑夫になろうなんて
料簡違
(
りょうけんちげ
)
えだ。早く
帰
(
けえ
)
れ」
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「さてまた、福松の阿魔だがなア、あいつがまた、こちとらの
面
(
かお
)
を見せるとただは
帰
(
けえ
)
すめえがの——色男てやつは、どっちへ廻っても楽はできねえ」
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
無理矢理持たして
帰
(
けえ
)
しやしたのを、ついそのままにしていただけのことなんでごぜえますから、後生でごぜえます。
旗本退屈男:02 第二話 続旗本退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「大蝶丸は罐詰を東京まで積んでいって、三時間ばかりめえ
帰
(
けえ
)
って来ただ」と扶原支配人はゆっくりと云った
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「そんなこといったっていつ
帰
(
けえ
)
るか分らねえものを。——ぐず/\していたら日が暮れる。……でなくっても、みねえ、あの時分に出たってこのさまだ。」
春泥
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
今さらこの年で日本へ
帰
(
けえ
)
ろうにも、領事館へ泣き付いて移民送還てのも気が利かねえしね——済んませんが、あんた、いくらか煙草銭でも
与
(
や
)
ってくれないかね。
踊る地平線:06 ノウトルダムの妖怪
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
今度の航海から
帰
(
けえ
)
りせえすりゃ、
真面目
(
まじめ
)
な紳士の暮しを始めるんだ。まだずいぶん
早
(
はえ
)
え、ってお前は言うだろう。ああ、だが己は今までだって安楽に暮して来たのだ。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
……オヤどうした? え、島原! もう
帰
(
けえ
)
るのか。まあよかろう、茶でも飲みねえ。おれも乾いた
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
どうせ
儲
(
もう
)
かんねえ普通の百姓をするなら慣れぬところで苦労するより、いくら貧乏でも生まれ故郷さ
帰
(
けえ
)
った方がいいと、平戸へ帰るものも出やしたし、一人欠け二人欠け
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
何
(
なん
)
しろ麦飯の七八
杯
(
はい
)
もひっかけて居ったンだからね。
酒保
(
しゅほ
)
に飛んで行き/\したって話してました。今じゃ大きに
楽
(
らく
)
になったってますよ。
最早
(
もう
)
あと一年半で
帰
(
けえ
)
って来ますだよ
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
干ぼしになって死ぬ時ア一緒に死ぬべえ、と言って、その五両札へ二両のお釣りを置いて
帰
(
けえ
)
って来ただが、おかみさん、去年は豊年で、それでやっぱり飢饉と同じことだった。
飢餓地帯を歩く:――東北農村惨状報告書――
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
『
飯焚女
(
めしたきおんな
)
は帰ってしまいましたし、ドーブレク代議士が信用してるレオナールて男は、主人を迎えかたがた
巴里
(
パリー
)
へ行きましたから、一時を過ぎなきゃ、
大丈夫
(
でえじょうぶ
)
帰
(
けえ
)
って来ません』
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
えい? わたくしなぞはこれから
自宅
(
うち
)
へ
帰
(
けえ
)
って、やッと——その、な——熱いのにありつけるかと思ってますのでげすが、な、かかアがその用意をしてあるかどうかも分りません
猫八
(新字新仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
こねえだも、夜の明けねえうちにわっしをまいて、その日
一日
(
いちんち
)
いねえんでがす。わっしは、旦那が
帰
(
けえ
)
って来たらしたたかぶん殴ってくれようと思って、でっけえ棒をこせえときました。
黄金虫
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
殿様が
清国
(
あっち
)
からお
帰
(
けえ
)
りなさるその
前
(
めえ
)
に、東京にお
帰
(
けえ
)
りなさったでごぜエますよ。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
「僕も其処へ行つたんですがね。ちやうど蜜柑を摘んでゐたお婆さんがゐたから、訊いて見たんだ。するとお婆さんがね、あの若造どもづら、へえ、さつき
帰
(
けえ
)
つちまつただと云つたんだ。」
蜜柑山散策
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
金公もそのままのめのめと嬶と二人で
帰
(
けえ
)
られめい。
隣の嫁
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
大勢
万
(
まん
)
ぜい寄りたかって
私共
(
わっちども
)
に赤恥をかゝせて
帰
(
けえ
)
そうとするから、腹が立って堪らねえ、
私
(
わっち
)
が妹を
私
(
わっち
)
が連れて
行
(
ゆ
)
くに何も不思議はねえ
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「え、何、こっちの衆は、稼業違いの者なんですが、旅は道連れ、舞鶴まで
帰
(
けえ
)
る人だっていうから一緒になったまでのことです」
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「昨日出たきり
帰
(
けえ
)
らねえので……停車場で
訊
(
き
)
いたら、上野までの切符、七、八枚も売れだのだぢがら、見当が付かねえもね。」
駈落
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
女房が一所に帰つてくれといひても「晩には
帰
(
けえ
)
るが、今は
帰
(
けえ
)
られねえ」といふ。善太来て権太の肩につかまり「ちやん、帰つてくんねえ」といふ。
いがみの権太:(明治二十九年一月、明治座)
(新字旧仮名)
/
三木竹二
(著)
焼いて持って来ねえ。蔦ちゃんが
好
(
すき
)
だったんだが、この節じゃ何にも食わねえや、折角残して
帰
(
けえ
)
っても今日も食うめえ。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「実は神明前のお常の茶屋を、ほんのちょいと覗いて、あれから学寮の角を宇田川町へ出て露月町の家へ
帰
(
けえ
)
りました」
銭形平次捕物控:013 美女を洗い出す
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
しかもここまで深入りしたからにゃトテも生きて日本にゃ
帰
(
けえ
)
れめえ……と気が付くと腰を抜かすドコロかあべこべに気持がシャンとなっちまいました。
人間腸詰
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「いくらでもいいます。女が生きてたら文句はあるめえ。見たけれあ明日お奉行所へ来なさるがいい。
帰
(
けえ
)
れ、帰れ」
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
あれほど親類の衆も言って下すっただから水車番をしていればよかったに、俺モウいちど水車小屋へ
帰
(
けえ
)
るべえか……
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「大蝶丸は缶詰を東京まで積んでいって、三時間ばかりめえ
帰
(
けえ
)
って来ただ」と扶原支配人はゆっくりと云った
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
『
帰
(
けえ
)
るべえどら。』と、顔のしやくつたのが先づ立つた。松太郎は、ゴロリ、崩れる如く横になつて了つた。
赤痢
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
冗談
(
じょうだん
)
じゃねえ。
用
(
よう
)
がありゃこそ、わざわざやって
来
(
き
)
たんだ。なんでこのまま
帰
(
けえ
)
れるものか。そんなことよりおいらの
頼
(
たの
)
みを、
素直
(
すなお
)
にきいてもらおうじゃねえか。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「口癖にいうていなされた新次郎が、仏蘭西から
帰
(
けえ
)
って
参
(
めえ
)
りましたぞい。逢うてやって、つかあされ! 阿母さまはもう頭に来てなさるで、お前がおわかりにならぬだろ!」
仁王門
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
あの連中は一週間近くも陸にいたし、俺らは
海象
(
ウオルラス
)
号に乗って岸に寄ったり離れたりしてたんだ。或る日のこと、合図があって、フリントが一人で小さなボートに乗って
帰
(
けえ
)
って来た。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
僕だなんて——
書生
(
しょせ
)
ッ
坊
(
ぼ
)
だな。
大方
(
おおかた
)
女郎買でもしてしくじったんだろう。太え奴だ。
全体
(
ぜんてえ
)
この頃の書生ッ坊の風儀が悪くっていけねえ。そんな奴に辛抱が出来るもんか、早く
帰
(
けえ
)
れ。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
帰ると
溜息
(
ためいき
)
ついて曰く、全く田舎が
好
(
え
)
えナ、浅草なンか裏が狭くて、
雪隠
(
せっちん
)
に往っても
鼻
(
はな
)
ア
突
(
つっ
)
つく、田舎に
帰
(
けえ
)
ると
爽々
(
せいせい
)
するだ、親類のやつが百姓は
一日
(
いちにち
)
にいくら
儲
(
もう
)
かるってきくから
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
『あいつら、
巴里
(
パリー
)
にゃあ
凄
(
すげ
)
えところがあるってんで、嬉しがって
帰
(
けえ
)
りやがった。』
踊る地平線:06 ノウトルダムの妖怪
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
御前の
前
(
めえ
)
で
素
(
す
)
のろけらしくなりやすが、ちっとばかり
粋筋
(
いきすじ
)
な
情婦
(
いろ
)
がごぜえやしてね、ぜひに顔を見てえとこんなことを吐かしがりやしたので、ちょっくら堪能させておいて
帰
(
けえ
)
ろうとしたら
旗本退屈男:02 第二話 続旗本退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「これはおいでなせえまし。旦那様アいつお
帰
(
けえ
)
りでごぜエましたんで?」
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
「山北んげの正ちゃんが
拵
(
こしら
)
えがすんでから急に
帰
(
けえ
)
って来た」
三月の第四日曜
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
帰
常用漢字
小2
部首:⼱
10画
“帰”を含む語句
帰途
帰宅
帰来
帰京
帰路
帰朝
帰郷
不如帰
帰省
立帰
帰家
帰去来
帰国
御帰
帰命頂礼
持帰
往帰
帰納的
犬帰
帰邸
...