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岩田屋
岩田屋の
御夫婦が心配して、なに
松さんだつて
家へ
帰れば
姉さんに
小言を
云はれるから、
帰つて
来るに
違ひない、なに
彼奴は
銭を
持つてゐる
気遣ひは
有ませんから
はい
私も
疾うから
参つて
居ります、おやまア、
岩田屋の
旦那だよ、
貴方は
腎虚なんでせう。男「
馬鹿をいへ、さうしてお
前は
誰だツけ。女「
柳橋のお
重でございますよ。 ...
岩田屋の
旦那に
連れられて
浜へ
往つて、
松さんと
喧嘩アして
帰つて
来た時に
何とお
云ひだえ、あゝ
口惜しい、
真実の
兄弟にまで
置去りにされるのも
己の
眼が悪いばかりだ