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蒲田屋
蒲田屋の
奧に
飾つてあるやうな
本當のを、
重くても
搆はしない、やつちよいやつちよい
譯なしだと
捻ぢ
鉢卷する
男子のそばから、
夫れでは
私たちが
詰らない
お前は余つぽど
剽軽ものだね、とて美登利は正太の
頬をつついて、その真面目がほはと笑ひこけるに、
己らだつても
最少し経ては大人になるのだ、
蒲田屋の旦那のやうに
角袖外套か何か着てね
蒲田屋の
旦那のやうに
角袖外套か
何か
着てね、
祖母さんが
仕舞つて
置く
金時計を
貰つて、そして
指輪もこしらへて、
卷煙草を
吸つて、
履く
物は
何が
宜からうな、
己らは
下駄より
雪駄が
好きだから