)” の例文
旧字:
母様かかさま痛いよ/\ぼう父様ととさまはまだえらないかえ、げんちゃんがつから痛いよ、ととの無いのは犬の子だってぶつから痛いよ。
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
この人には二どめの妻君さいくんがあって、この妻君さいくんも死ぬことになるが、その死ぬ少し前に、ハークマはたし倫敦ロンドンへ行っていて、そして其処そこからえる。
不吉の音と学士会院の鐘 (新字新仮名) / 岩村透(著)
母親は、使いのえるまで、そんなことを言い続けた。乳母は、膝を固まらせ、窮屈そうにしているので、肩で息をついて居苦しそうにしていた。
童子 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
銀之助はむちやくちやばらで酒ばかしんでうやつて居るのが、女房のへるのを待つて居るやうな気がしたので急に外に飛び出したくなつたのである。
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
東京のうちへもえれない事になった。京都からすぐ広島へ行って、そこに半年ばかり暮らしているうちに父が死んだ。母は父よりも六年ほど前に死んでいた。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
何もせずに坐っているばかりだ。私はただ間を借りたばかりで家では飯も食わないのだから話す機会もない。夜遅くえって朝早く務めに出てしまうばかりだ。
老婆 (新字新仮名) / 小川未明(著)
酒を飲み宴を開くの風を生じ(元来飲酒いんしゅ会宴かいえんの事は下士に多くして、上士はすべ質朴しつぼくなりき)、ことに徳川の末年、諸侯の妻子を放解ほうかいして国邑こくゆうえすの令をいだしたるとき
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
りやうさんは。りやうさんはおまへ枕元まくらもとにそらみぎはうにおいでなさるよ。阿母おつかさんりやうさんにおへりをねがつてください。何故なぜですかぼくては不都合ふつがふですかヱてもわるひことはあるまい。
闇桜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
六年前連れて行ってかの女と逸作が一昨年える時、息子ばかりが巴里パリに残った。
かの女の朝 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
芸術倶楽部の一室に、九曜の星の定紋のついた陣笠がおいてあった。幕府の倒壊と共に主とろくに離れた亡父も江戸に出て町人になったが、れぬ士族の商法に財産も空しくして故山にえった。
松井須磨子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
眺め「アアそうです、お代さんと下女と門前に立っています。僕はモーえりましょう。中川君大きに御馳走さま」とそこそこにいとまを告げ恐る恐る中川家の門をでたるに門前に立てるお代嬢
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
行けても へれなくなつたらこまるわ
ふくやおまへからりやうさんにおへりをねがつておくれ。
闇桜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
さあ 仕事しごとがすんだ へらう
なんだとヱりやうさんに失礼しつれいだがおへりあそばしていたゞきたいとあゝさうまをすよりやうさんおきゝのとほりですからとあはれやはゝきやうするばかりむすめは一呼吸こきふせまりてる/\顔色かほいろあほくはつゆたま今宵こよひはよもとおもふに良之助りやうのすけつべきこゝろはさらにもなけれど臨終いまはまでこゝろづかひさせんことのいとを
闇桜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)