もど)” の例文
旧字:
「おう、もどって来たか、俺は、お前のことを、どんなに心配していたか判らないぞ、ようもどって来た」と、漁師は嬉しさに声がもつれた。
月光の下 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「どうするものか真赤な顔をして逃げてって了うた、それから直ぐ東京を出発たっ何処どこへも寄らんでずんずんもどって来た」
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
仏壇へゆくみちのものは、なにもかもみんな倒れているというので、母親は息子のもどらないのを、大変気にして祖母のところへ来たのですが、息子はいつも夜どまりをしつけているので
人魂火 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
乃公もグイと癪に触ったから半時も居らんでずんずん宿へもどってやった
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)