)” の例文
旧字:
松魚かつおにしてもこんな生きのいい生き身はありゃしねえやい! 生かしてえせと言うんじゃねえんだ。のめすならのめす、斬るなら斬ってみろい!
こっちのあまはどうするって?……はっはっ。いやに気にするじゃねえか。今日はここいらで見切を付けてえるんだ。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
頼まれていたので、今度積んで行ったところがなよ、そのお客様の家が、神田とやらへ越しちまったというで、仕方なしに持ってえって来たのだによ
旗岡巡査 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「さあてねえ、そんな人は三人いたようだがなあ、何でも二人は都へえって、残った人は一人でぶらぶらしていたようだったが、この頃は見えねえようだな」
はい左様でございますかと云ってえるような人間じゃアございませんよ、田舎じゃアちいさい時から木綿着物で育て、教える事は糸繰いとくりから機織はたおりぐらいで済むけれど
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「なにを、たわけた。……さあ、えろう」
顎十郎捕物帳:05 ねずみ (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「まだえらしゃらんから迎いに行くだ。」
越後の冬 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「そこの野婦之池を渡って、池尻へ出ると、半分道でえれる。今、断っておいたから、舟を借りてゆくとしよう」
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まだサヤマの野郎えらねえよ。そこにゃ誰も居ねえのか。うん手前てめえ一人か。カルロ・ナインはどうした。もう寝ている。スタチオは? 二人とも出かけたあ。なにい。本牧にいい賭場を見付けたあ。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
國「そりゃア存じて居ります、おい若衆わけいしゅさんえってもいゝよ」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「うんにゃ、上がるめえ、迎えに来たのじゃ。延徳沖の酒屋の息子な、要助どんじゃ。七年ぶりで、故郷へえったで、一目会いたいといわっしゃる。来られるかの」
(新字新仮名) / 吉川英治(著)
二枚か三枚はけれあ、あっしえるんだから……。
山「うちえれ」
「てめえはもう役済みだ、家へえって、部屋の者にあれだけを耳打ちしておいてくれ」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いいじゃねえか。酔のさめるまで、そこらの草ッ原でころがってえればいい」
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そうもゆくめえ。親分がえって来てから、告げ口するにちげえねえ」
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
積んで、いつか大津の問屋小屋へえって来ることになっているんだから
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『駄目ださ。根っから釣れんで、くそ面白くもねえでえって来た』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「きょうはの、まだ、お客様がえらねえだから、酒はいらぬよ」
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「でも、えればるんだろう。いつもだけ持ッて来とこうや」
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「李逵だわな! 鉄牛がいま、えって来たんだわな!」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『夜半に、何の客だ、今えったなあ』
魚紋 (新字新仮名) / 吉川英治(著)