母様ははさん)” の例文
旧字:母樣
一筆ひとふで示し上げ参らせそろ大同口だいどうこうよりのお手紙ただいま到着仕り候母様ははさん大へんおんよろこび涙を流してくり返しくり返しご覧相成り候」
遺言 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
末には御前の言ふ事を聞く者もなく、太郎を仕立るにも母様ははさんを馬鹿にする気になられたら何としまする、言ふだけの事はきつと言ふて
十三夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
いはばわし福人ふくじんの一人、いづれも柔順おとなしい子供を持つて育てるに手はかからず人には褒められる、分外の欲さへ渇かねばこの上に望みもなし、やれやれ有難い事と物がたられる、あの相手は定めし母様ははさん
十三夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)