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おっかさん
ふりがな文庫
“
母様
(
おっかさん
)” の例文
旧字:
母樣
としては
大
(
おおき
)
なものよ、大方猪ン中の王様があんな三角
形
(
なり
)
の冠を
被
(
き
)
て、
市
(
まち
)
へ出て来て、そして、私の
母様
(
おっかさん
)
の橋の上を通るのであろう。
化鳥
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
でもおあいにくさまだが
吾家
(
うち
)
の
母様
(
おっかさん
)
はおまえの心持を見通していらしって、いろいろな人にそう云っておおきになってあるから
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
じゃあ
吾家
(
うち
)
の
母様
(
おっかさん
)
の世話にもなるまいというつもりかエ。まあ怖しい心持におなりだネエ、そんなに
強
(
きつ
)
くならないでもよさそうなものを。
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「
母様
(
おっかさん
)
!」といって離れまいと思って、しっかり、しっかり、しっかり襟ん
処
(
とこ
)
へかじりついて
仰向
(
あおむ
)
いてお顔を見た時、フット気が着いた。
化鳥
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
母様
(
おっかさん
)
は
病気
(
きいきい
)
が悪いから、
大人
(
おとな
)
しくしろよ、くらいにしてあったんですが、何となく、人の
出入
(
ではいり
)
、
家
(
うち
)
の者の
起居挙動
(
たちいふるまい
)
、大病というのは知れる。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
吾家
(
うち
)
の
母様
(
おっかさん
)
もおまえのことには大層心配をしていらしって、も少しするとおまえのところの叔父さんにちゃんと談をなすって
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
そうして、(あんな
母様
(
おっかさん
)
は
不可
(
いけない
)
のう、ここへ来い)と旦那が手でも引こうもんなら、それこそ大変、わッといって泣出したの。
化銀杏
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
母様
(
おっかさん
)
に逢いに行くんだ。一体、私の
背
(
せなか
)
に
負
(
お
)
んぶをして、目を
塞
(
ふさ
)
いで飛ぶところだ。構うもんか。さ、手を
曳
(
ひ
)
こう、
辷
(
すべ
)
るぞ。」
縁結び
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「その
母様
(
おっかさん
)
と云うのは、四十余りの、あの、若造りで、ちょいとお化粧なんぞして、
細面
(
ほそおもて
)
の、鼻筋の通った、何だか権式の高い、違って?」
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私はその時分は何にも知らないでいたけれども、
母様
(
おっかさん
)
と二人ぐらしは、この橋銭で立って行ったので、
一人
(
ひとり
)
前いくらかずつ取って渡しました。
化鳥
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
人の悪い奴で御覧なさい、
対手
(
あいて
)
が貴女の
母様
(
おっかさん
)
で、そのお手紙が一通ありゃ、貞造は一生涯朝から刺身で飲めるんですぜ。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「めのさんや。お前さんちょいと、お二階に来ていらっしゃるのはその河野さんの
母様
(
おっかさん
)
じゃないか、気をお着けな。」
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
貴女
(
あなた
)
は仮にも
母様
(
おっかさん
)
、恨みがましいことを申して済みませんでした。でももう神様も、仏様も、
妾
(
わたし
)
を助けて下さらないから、母様どうぞ助けて下さい。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
おいら
父様
(
おとっさん
)
はなし、
母様
(
おっかさん
)
は
失
(
な
)
くなったし、一人ぼッちで心細かったっけが、こんな時にゃあさっぱりだ、
情
(
なさけ
)
なくも何ともねえが、
汝
(
てめえ
)
は可哀そうだな。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ものの懸念さに、
母様
(
おっかさん
)
をはじめ、
重吉
(
じゅうきち
)
も、
嘉蔵
(
かぞう
)
も
呼立
(
よびた
)
てる声も揚げられず、
呼吸
(
いき
)
さへ高くしてはならない気がした。
処方秘箋
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
夢にも逢いたい
母様
(
おっかさん
)
と、取詰めて手も足も震う身を、その婆さんと別仕立の
乗合腕車
(
のりあいぐるま
)
。小石川
指
(
さし
)
ヶ
谷
(
や
)
町
(
ちょう
)
の貧乏長屋へ
駈着
(
かけつ
)
けて、我にもあらず縋りついた。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一体、
母様
(
おっかさん
)
に懸合う
筈
(
はず
)
なんだけれど、御病人だからお前さんだ、見なすったろう、嘉吉さん
許
(
とこ
)
のなんざ、あの
騒
(
さわぎ
)
。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
折から奥で衰えた声して呼んだのは、病の床に
臥
(
ふ
)
しているという
母様
(
おっかさん
)
。この声を聞くと、愛吉は胸を折って、肩の中へ
頸
(
うなじ
)
を
縮
(
すく
)
めて、口をむぐむぐと遣る。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
寝る時、
着換
(
きか
)
へて、と
謂
(
い
)
つて、
女
(
むすめ
)
の
浴衣
(
ゆかた
)
と、
紅
(
あか
)
い
扱帯
(
しごき
)
をくれたけれども、
角兵衛獅子
(
かくべえじし
)
の
母衣
(
ほろ
)
ではなし、
母様
(
おっかさん
)
のいひつけ通り、帯を
〆
(
し
)
めたまゝで横になつた。
処方秘箋
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
狂言なの、お能なの、謡をうたうの、
母様
(
おっかさん
)
に連れられて、お乳をあがっていらっしゃる方よりほか、こんな罪のない
小児衆
(
こどもしゅう
)
のお客様がもウ一人ござんすか。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
母様
(
おっかさん
)
、峰(幼名)か、と嬉しさのあまり、
呼吸
(
いき
)
の下で声も出た。母親はその日絶えなむとする玉の緒を蝶吉の手に
繋
(
つな
)
ぎ留められて、一たびは目を開いたが。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
火に
焼
(
やか
)
れず、水に溺れずといったような好運があるようだ。
好
(
すき
)
なことが何でも出来るッて、
母様
(
おっかさん
)
が折紙をつけて下すった体だよ、私が見ても違いはないね。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
内へ帰ると早速、
夕餉
(
ゆうげ
)
を
済
(
すま
)
し、
一寸
(
ちょいと
)
着換
(
きか
)
へ、糸、犬、
錨
(
いかり
)
、などを書いた、
読本
(
どくほん
)
を一冊、
草紙
(
そうし
)
のやうに
引提
(
ひっさ
)
げて、
母様
(
おっかさん
)
に、帯の
結目
(
むすびめ
)
を
丁
(
トン
)
と
叩
(
たた
)
かれると、
直
(
すぐ
)
に
戸外
(
おもて
)
へ。
処方秘箋
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
夜になって
塒
(
とや
)
へ入るのは何もかわったことはないけれど、何だか
淋
(
さみ
)
しそうで可哀相だねえ、
母様
(
おっかさん
)
と二人ばかしになったって、お前、私が居れば可いじゃあないか。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
しかしその机は、昔からここにある見覚えのある、庚申堂はじまりからの
附道具
(
つきどうぐ
)
で、何もあなたの
母様
(
おっかさん
)
の使っておいでなすったのを、堂へ納めたというんじゃない。
縁結び
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
やあ、
占
(
し
)
めた、と云うと、
父親
(
おやじ
)
が遠慮なしに、お
絹
(
きぬ
)
さん——あなた、
母様
(
おっかさん
)
の名は知っているかい。
縁結び
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「それはね、坊ちゃん、あの何ですッて。あなたのね、
母様
(
おっかさん
)
がおなくなり遊ばしたのを、御近所に居ながら
鳴物
(
なりもの
)
もいかがな訳だって、お嬢様が御遠慮を遊ばすんでございますよ。」
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「ああ、物理書を
皆
(
みんな
)
読むとね、
母様
(
おっかさん
)
のいる
処
(
ところ
)
が分るって、先生がそう言ったよ。だから、早く欲しかったの、台所にいるんだもの、もう買わなくとも
可
(
い
)
い。……おいでよ、
父上
(
おとっさん
)
。」
国貞えがく
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
織坊
(
おりぼう
)
、
母様
(
おっかさん
)
の
記念
(
かたみ
)
だ。お
祖母
(
ばあ
)
さんと一緒に行って、今度はお前が、
背負
(
しょ
)
って来い。」
国貞えがく
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「じゃあね、
晩
(
おそ
)
くなりましたから今夜はお帰んなさいな。
母様
(
おっかさん
)
がお案じだろうから。」
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
母様
(
おっかさん
)
によく
肖
(
に
)
た顔を、ここで見るのは申訳がないといって、がっくり俯向いて
男泣
(
おとこなき
)
。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
実は私の
父親
(
おとっさん
)
は、中年から少し気が違ったようになって、とうとうそれでおなくなりなすったがね、親のことをいうようだけれど、
母様
(
おっかさん
)
は少し
了簡違
(
りょうけんちが
)
いをして、
父親
(
おとっさん
)
が病気のあいだに
化銀杏
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私だって何も
彼家
(
あすこ
)
へは御譜代というわけじゃあなしさ、早い話が、お前さんの
母様
(
おっかさん
)
とも私あ知合だったし、そりゃ内の旦那より、お前さんの方が私ゃまったくの所、可愛いよ。可いかね。
清心庵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
御道理
(
ごもっとも
)
でございますねえ。そして
母様
(
おっかさん
)
はその
後
(
のち
)
快
(
よ
)
くおなりなさいましたの。」
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私はまだ
九歳
(
ここのつ
)
時分のことだから、どんなだか、くわしい訳は知らないけれど、
母様
(
おっかさん
)
は、お前、何か心配なことがあって、それで世の中が嫌におなりで、くよくよしていらっしゃったんだが
清心庵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
死亡
(
おなくなり
)
遊ばした
母様
(
おっかさん
)
に、よく顔が
肖
(
に
)
ておいでだから、
平常
(
いつも
)
姉様
(
ねえさん
)
と二人して、可愛がってあげたのに、今こんな身になっているのを、見ていながら、助けてくれないのは情ないねえ、怨めしいよ。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「私の顔を
覗
(
のぞ
)
き込んじゃあ、(
母様
(
おっかさん
)
)ッて、(母様)ッて呼んでよ。」
化銀杏
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「さあ、
母様
(
おっかさん
)
のことも大抵いい出しはなさらないし、
他
(
ほか
)
に、別に、こうといって、お
心懸
(
こころがか
)
りもおあんなさらないようですがね、ただね、始終心配していらっしゃるのは、新さん、あなたの事ですよ。」
誓之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「お前は知らないでもね、
母様
(
おっかさん
)
の方は知ってるかも知れないよ、」
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「お前さんの
母様
(
おっかさん
)
が
亡
(
なく
)
なんなすった時も、お前にゃあ何でもしたいことが出来るからってとお言いだったと聞いちゃあいたがね、まあ、随分思切ったこったね。何かい、ここで寝ることがあるのかい。」
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
母様
(
おっかさん
)
の
御大病
(
ごたいびょう
)
、一刻も早くと、
直
(
すぐ
)
に、美女ヶ原を
後
(
あと
)
にしました
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「それで三人の
母様
(
おっかさん
)
? 十二、三のが
頭
(
かしら
)
ですかい。」
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「やっぱり
母様
(
おっかさん
)
の夢ばかり見てるのか。」
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「台所に
母様
(
おっかさん
)
が。」
国貞えがく
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
母
常用漢字
小2
部首:⽏
5画
様
常用漢字
小3
部首:⽊
14画
“母”で始まる語句
母
母屋
母親
母子
母娘
母家
母衣
母樣
母者人
母上