“わらべ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ワラベ
語句割合
83.5%
童子5.5%
童女1.6%
童部1.6%
使童0.8%
僕童0.8%
児童0.8%
家童0.8%
幼童0.8%
村童0.8%
童児0.8%
童兒0.8%
童貞0.8%
頑童0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのときよりかのわらべは城にとどまりて、羊飼いとなりしが、たまわりしもてあそびの笛を離さず、のちにはみずから木をけずりて笛を
文づかい (新字新仮名) / 森鴎外(著)
おそれながら御前ごぜんさまはお大名だいみやう御身おみりながら、お月さまとおほせられましては、小児せうに童子わらべことにて、歌俳諧うたはいかいにでも月は月で事はますやうぞんじます。
昔の大名の心意気 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
童女わらべたちは、柳裏のいつぎぬを着た彼女のうしろにはべっていいつけられる用事を待っていた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
されば町を行けば、心ない童部わらべあざけらるるは元より、刀杖瓦石たうぢやうぐわせきの難にうた事も、度々ござるげに聞き及んだ。
奉教人の死 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
頭に物を乗せた大原女おはらめが通る。河原の瀬を、市女笠いちめがさの女が、使童わらべに、何やら持たせて、濡れた草履で、舎人町とねりまちの方へ、上がってゆく。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「私の連れて参った城太郎という僕童わらべは、そこに控えておりましょうか」
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
忍剣にんけんは、ほとんど児童わらべのように狂喜きょうきして、あおぐように手をふりながらおどりあがっている——と見るまに、それにもどってきた龍太郎は、どんと一同のなかへ梅雪ばいせつをほうりやって
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
其のやうをもばやといふを、あるじとどめて、一四瘟病をんびやうは人をあやまつ物と聞ゆるから、家童わらべらもあへてかしこに行かしめず。立ちよりて身を害し給ふことなかれ。左門笑うていふ。一五死生しせいめいあり。
婦女おんな幼童わらべの知る事ならずと、豪傑の旦那殿、一口に叱り飛ばしたまふに、返さむ詞もなさけなの、家道の衰へ見るに忍びず。
誰が罪 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
切棒の駕籠に畔ゆく村童わらべまでひざまづかせしものを、下りゆく運は誰が導きの薄命道、不幸夭死の父につゞきて、母は野中の草がくれ妻とは言はれぬ身なりしに
暗夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
……無心な童児わらべの唄ごえにも、会心の笑みをかわす剣気の群れ——東道役は言わずと知れた駒形の兄いつづみの与吉だが、与の公、このところ脅かされつづけで
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
信と純とはたゞ童兒わらべの中にあるのみ、頬にひげひざるさきにいづれも逃ぐ 一二七—一二九
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
欄干から下をのぞくと自分の顔までが映るかと思はれた——美しい童貞わらべの顔のやうになつて映るかと思はれた。
黄昏の地中海 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
左に推させ、と右へ、捻ぢ回したる打擂すまひ本手てなみに、さしもたけたる須本太牛は、おぞ頑童わらべ放下ほかさるる猪児ゐのこごと地響ぢひびきして摚と仰反り倒れけり——と描写している。
越後の闘牛 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)