“ボーイ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
給仕46.4%
使童7.1%
7.1%
3.6%
従卒3.6%
給仕人3.6%
船丁3.6%
女給3.6%
子供3.6%
小僕3.6%
小僧3.6%
招待3.6%
童子3.6%
船員3.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それから白い亡霊……あれは例の支那人給仕ボーイが化けたのだが、あれがその記録を取外し、朝になっての三人の外人に給仕をする時
亡霊ホテル (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
時々とき/″\使童ボーイ出入しゆつにふして淡泊たんぱく食品くひもの勁烈けいれつ飮料いんれう持運もちはこんでた。ストーブはさかんえてる——
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
麦僊氏がカーテンのなかから寝ぼけた顔を出して、ボーイを待つてゐると、隣の二等室から食堂車へくらしい人が直ぐ前を通りかゝつた。麦僊氏はその顔を見て夢ではないかと思つた。
気抜けしたようなボーイのうしろには、五人の客が、明るい電灯の光の下で、ねっとりとかがやく血だまりを見ていた。
金狼 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
と、ボーイにきいた。男は頭をふった。(この問答をきくと、三人の客は一斉にちょっと身動きしたようであった)
金狼 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
ほおばり「むむ、少し……甲板かんぱんに出ておると……腹が減るには驚く。——従卒ボーイ、菓子を持って来い」
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
おりから従卒ボーイのうずたかく盛れる菓子皿持ち来たりて、士官次室ガンルームの話はしばし腰斬ようざんとなりぬ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
ホテル・アムステルダムの女主人マダムセレスティンは、三階から駈け降りて来た給仕人ボーイの只ならぬ様子にぎょっとして、玄関わきの帳場から出て来た。
ロウモン街の自殺ホテル (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
いつもの時間に給仕人ボーイのポウルが、それをテイラアの部屋へ持って行ったのだが、呼んでも叩いても応答こたえがないので、前に言ったように帳場へ下りて女将セレスティンを呼んで来て
ロウモン街の自殺ホテル (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
軍艦ぐんかんにしても、あんなにはや船脚ふなあし新式しんしき巡洋艦じゆんやうかんか、水雷驅逐艦すいらいくちくかんほかはあるまい。』と二とう運轉手うんてんしゆ非番ひばん舵手だしゆ水夫すゐふ火夫くわふ船丁ボーイいたるまで、たがひ見合みあはせつゝ口々くち/″\のゝしさはいでる。
弦月丸げんげつまる舷梯げんていたつすると、私共わたくしども乘船じやうせんことすで乘客じやうきやく名簿めいぼわかつてつたので、船丁ボーイはしつてて、いそがはしく荷物にもつはこぶやら、接待員せつたいゐんうや/\しくぼうだつして、甲板かんぱん混雜こんざつせる夥多あまたひと押分おしわけるやらして
「いよう! 皆揃うたな。めんばっかり並びくさって、こら、カフェーやな。おんしゃらカフェーの女給ボーイや。お父さんに酌せエよ。」
俗臭 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
数度話したことがあるが、ペンシルヴェニヤの田舎のハイスクールを出たばかりの、酒も煙草ものまず、太ったお母さんの写真を持っている素直で可愛らしい子供ボーイだった。
美食と酒にんで、寝台にゴロとしていると、例の老軍卒が、旅館ホテル小僕ボーイのように、おきまりの食器のとり片づけに入ってきた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そいつを、どこかで伊那の顔を見識みしっていた毛唐の一等船客が発見して、あの小僧ボーイと一所なら船を降りると云って騒ぎ出した。
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ウェイウェイと黄包車でも呼ぶみたいな声で、招待ボーイを呼んで、砂馬の小皿を新しいのに変えろと、わざとらしい忠勤振りを発揮した。ここは奥まった雅座——プライベート・ルームの一室である。
いやな感じ (新字新仮名) / 高見順(著)
かかるあいだに卓上の按排あんばい備わりて人々またその席につくや、童子ボーイぎめぐる麦酒ビールあわいまだ消えざるを一斉にげて二郎が前途を祝しぬ。儀式はこれにて終わり倶楽部の血はこれより沸かんとす。
おとずれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
……というのは元来、新嘉坡シンガポールあたりで投げ出されている船員ボーイろくなものが居よう筈がなかった。
幽霊と推進機 (新字新仮名) / 夢野久作(著)