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船丁
『
軍艦にしても、あんなに
速い
船脚は
新式巡洋艦か、
水雷驅逐艦の
他はあるまい。』と二
等運轉手、
非番舵手、
水夫、
火夫、
船丁に
至るまで、
互に
眼と
眼を
見合せつゝ
口々に
罵り
騷いで
居る。
弦月丸の
舷梯へ
達すると、
私共の
乘船の
事は
既に
乘客名簿で
分つて
居つたので、
船丁は
走つて
來て、
急はしく
荷物を
運ぶやら、
接待員は
恭しく
帽を
脱して、
甲板に
混雜せる
夥多の
人を
押分るやらして