“こぞう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
小僧88.0%
子僧4.5%
雛僧2.3%
小厮0.8%
子供0.8%
丁稚0.8%
僮子0.8%
厮童0.8%
小兒0.8%
膝頭0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
だから、小僧こぞうがものをいう時分じぶんには、みみたぶがあかくなって、平生へいぜいでさえ、なんとなく、そのようすがあわれにられたのであります。
初夏の不思議 (新字新仮名) / 小川未明(著)
手紙てがみをおいまに三かわやの御用聞ごようききがるだろうから子僧こぞう使つかひやさんをせるがい、なんひと孃樣ぢようさまではあるまいし御遠慮計ごゑんりよばかりまをしてなるものかな
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
やがて汽船の傍に漕ぎ寄せて老僧は雛僧こぞうさんに扶けられて船に乘り移り、私もそのあとから續いて乘つた。雛僧さんが手荷物を老僧に渡して歸つてゆくと、一等室には老僧と私と二人きりである。
湖光島影:琵琶湖めぐり (旧字旧仮名) / 近松秋江(著)
お高の眼は物置と庖厨かっての間になった出入口へ往っていた。と、十七八の色の白い小生意気に見える小厮こぞうが土蔵の鍵を持って来た。
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
稲荷のほこらの傍には岡持おかもちを持った小厮こぞう仮父おやかたらしい肥った男が話していた。
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
いてましたる子供こぞうが、五歳いつゝ六歳位むツつぐらゐ色白いろじろの、二重瞼ふたへまぶた可愛かあいらしい子でございまするが、生来はらからの乞食こじきでもありますまいが、世の中の開明かいめいれて、ぜん
おゝ/\……お美那みな可愛想かあいさうぢやアないか……見なよ……人品ひとがら可愛かあいらしい子供こぞうだが、生来はらからの乞食こじきでもあるまいがの……あれまア親父おやぢ負傷けがをしたといふので
そゝぎ掛け忠兵衞なれば恍惚みとれもせず其儘おくへ入たればよくは見ねども一寸ちよつとるさへ比ひまれなる美婦人と思へばうちの若旦那が見染みそめて思ひなやむ道理だうり要こそあれと主個あるじに向ひチト率爾そつじなるお願ひにて申し出すも出しにくきが吾儕わたくしは本町三丁目小西屋長左衞門こにしやちやうざゑもん方の管伴ばんたうにて忠兵衞と申す者なるが今日出番かた/″\にて御覽ごらんの通り丁稚こぞう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
そこで孔生は泊ることにして少年とねだいをともにして寝たが、朝になってまだうす暗いうちに僮子こぞうが来て炭火を室の中できだしたので、少年はさきに起きて内寝いまへ入ったが
嬌娜 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
しらみひねる事一万疋に及びし時酒屋さかや厮童こぞうが「キンライ」ふしを聞いて豁然くわつぜん大悟たいごし、茲に椽大えんだい椎実筆しひのみふでふるつあまね衆生しゆじやうため文学者ぶんがくしやきやう説解せつかいせんとす。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
とばかりで、小兒こぞうを、の、せめてもしづくとほひだりはうへ、かひなつかんで居直ゐなほらせた。
銭湯 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
細君は出てゐた膝頭こぞうサンを一寸隱して「話してらつしやいな」と今糊を含ました刷毛を一枚の手紙の上にべたと下しながら、目は其刷毛の方を見たまゝで言ふ。
俳諧師 (旧字旧仮名) / 高浜虚子(著)